レーザーレーダー(その他表記)laser radar

デジタル大辞泉 「レーザーレーダー」の意味・読み・例文・類語

レーザー‐レーダー(laser radar)

レーザー光を用いるレーダー。パルス状のレーザーを発し、反射光や散乱光から対象物までの距離を測る。気象地質測量分野で用いられるほか自動車などの歩行者検知システムに搭載される。LIDARライダー(light detection and ranging)。

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改訂新版 世界大百科事典 「レーザーレーダー」の意味・わかりやすい解説

レーザーレーダー
laser radar

レーザー光の強い出力と優れた指向性を利用し,形状,性質,濃度,速度や距離など遠方の物体の情報を測定するレーダー方式および装置を指す。ライダーlidar(light detection and rangingの頭文字をとったもの)や光レーダーoptical radarとも呼ばれ,アクティブ(能動的)リモートセンサーの一種である。レーザーパルスを大気中へ送出して,反射波の戻ってくる時間から距離を,受信信号強度から散乱体の濃度・状態を導出し,レーザー・ビームを走査して空間分布を測定する。測距,環境,気象の分野で使用される。紫外・可視・赤外領域のレーザー光と物質との種々の相互作用を利用して,大気汚染物質や微量気体(成層圏,中間圏も含む)濃度や温度・湿度などの気象要素の空間分布,大気構造を測定する。蛍光強度の弱い微量物質の測定では吸収係数の異なる2波長の散乱光を測定する方式(差分吸収ライダー)が用いられる。ドップラー効果を利用して移動体速度や風速の測定も行われている(ドップラーライダー)。連続(CW)光を利用する周波数変調方式(FM-CWライダー)や擬似ランダム変調方式も試みられている。ヘテロダイン検波法を利用するコヒーレントライダーも高感度なライダー方式として研究が進められている。測定場所は地上ばかりでなく,飛行機衛星も利用される。また湖や海洋の水深やクロロフィルa,油膜など蛍光を出す物質の測定も行われている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レーザーレーダー」の意味・わかりやすい解説

レーザー・レーダー
れーざーれーだー
laser radar

レーザー光を使ったレーダーで、ライダーlidar(light radar)ともいわれる。レーザーは狭い範囲に強い光を集中させることができるだけでなく、単色性で、電波のように位相がそろっている。この光は、普通の気象レーダーに比べはるかに小さい粒、エーロゾル(浮遊微粒子、煙霧質。エアロゾルともいう)や空気分子などによる散乱を測定できるので、煙や大気汚染物質の観測にも利用できる。送信と受信には反射望遠鏡に似たものを使用する。

[篠原武次]

『科学技術庁研究調整局編・刊『大気汚染物質測定用レーザー・レーダーの開発に関する特別研究報告書』(1972)』『稲葉文男著・刊『レーザー・レーダーの基礎および応用に関する総合的研究』(1975)』『笹野泰弘・小林喬郎編『衛星搭載レーザーレーダーによる地球規模大気環境の評価に関する調査報告』1~4(1992~1995・環境庁国立環境研究所)』

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百科事典マイペディア 「レーザーレーダー」の意味・わかりやすい解説

レーザーレーダー

ライダー

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