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竜巻 たつまき spout

翻訳|spout

9件 の用語解説(竜巻の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

竜巻
たつまき
spout

積乱雲の下にできる,渦を巻いた細長い漏斗状の雲。上昇気流を伴い,非常に高速で回転する。雲の下端が地面や海面に達しているものと達していないものがあるが,地上,海上に災害をもたらさない空中竜巻以外は竜巻という。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵の解説

竜巻

主に積乱雲から垂れ下がる漏斗状の激しい空気の渦巻き。米国では陸上竜巻をトルネード(tornado)と呼ぶ。最大瞬間風速1999年5月3日、米国オクラホマ州で観測した秒速142m。樹木や家屋が倒壊したり、自動車などが高く舞い上がることもある。1年当たりの陸上竜巻の発生数は、地球上で約1000個、米国では約800個、日本で約20個。日本では太平洋沿岸部で特に多い。台風や寒冷前線が接近する時に、暖気や寒気が強く流入して大気の状態が不安定になると発生する。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

竜巻

積乱雲または積雲に伴って発生する激しい渦巻き状の風。竜巻の中心では周囲より気圧が低いため、地表面の近くでは空気が渦の中心に向かうように吹き込み、回転しながら上昇する。被害地域は帯状に連なることが多い。90年の千葉県茂原市で発生した竜巻など3件が国内観測史上最大の風速レベル「F3」(約5秒間の平均で毎秒70~92メートルの風速)だったとされている。

(2009-10-29 朝日新聞 朝刊 茨城 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

たつ‐まき【竜巻】

空気の細長くて強い渦巻き。直径数十~数百メートルで、積乱雲の底から漏斗状に雲が垂れ下がり、海面または地上に達する。風速は毎秒100メートルを超えることもあり、海水・砂塵(さじん)を空中に巻き上げ、家屋を破壊する。海上で起こると水を巻き上げ、竜が天に昇るさまに似ているところからいう。

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百科事典マイペディアの解説

竜巻【たつまき】

直径50〜600mくらいの猛烈な風の渦巻。積乱雲の雲底からほぼ垂直に地表に向けてたれ下がる。海面に達すると水を吸い上げ,陸上では通過地点の地物を破壊し,被害を与える。
→関連項目漏斗雲

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とっさの日本語便利帳の解説

竜巻

激しい空気の渦巻で、大きな積乱雲の底から漏斗(ろうと)状に垂れ下がる。陸上では砂塵などを巻き上げ、海・湖上では水柱が立つ。秒速一〇〇mを超える風が吹くことも。台風や前線が接近すると発生しやすい。

出典|(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」
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世界大百科事典 第2版の解説

たつまき【竜巻 spout】

激しい空気の渦巻で,大きな積乱雲の底から漏斗状あるいは柱状に垂れ下がる雲と,陸上では巻き上がる砂塵,海上では水柱を伴うもの。その直径は10mから100mくらいとさまざまで,竜巻の中の空気は低気圧性の回転(北半球では反時計回り)であることが多い。中心付近では激しい上昇気流(たとえば50m/s)があり,竜巻に伴う風は破壊状況から100m/sを超える場合もあると推定される。また移動速度は10~20m/sのものが多い。

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大辞林 第三版の解説

たつまき【竜巻】

大気の下層に起こる激しい渦巻。積乱雲などの雲底から垂れ下がり直径十数メートルから数百メートルの漏斗ろうと状・柱状。その中心付近では風速は時に毎秒100メートルを超し、進路にあたる地上の物をまき上げ、また破壊する。台風に先立ち、また寒冷前線に伴われて局地的に来襲することが多い。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

竜巻
たつまき
tornadospoutfunnel aloftwaterspout

積乱雲から垂れ下がった激しく回転する気柱。ほとんどの場合漏斗(ろうと)雲(英語でfunnel cloudまたはtubaという)を伴っている。局地的な大気現象の一種であるが、もっとも破壊的な現象である。この渦動(かどう)は直径100メートル程度で、風速は毎秒50メートル以上から130メートルにも達するのではないかと見積もられている。竜巻の平均移動速度は速い場合は毎秒30メートル以上に達することもある。
 竜巻の英語がいろいろあるのは、漏斗状雲に伴われた渦が地上に達した場合をトルネードtornado、海上などの水面に達した場合をウォータースパウトwaterspout、雲底から漏斗状の雲は垂れ下がるが、地表まで達しないで地表にはなんの影響も与えない場合をファネル・アロフトfunnel aloftと区別しているからであるが、学術用語としては単にスパウトspoutを使用することもある。
 積乱雲に伴わない、通常直径が50メートル以下、寿命は数分程度の、塵(じん)旋風dust devil, sand pillarや人為的条件が加わって発生する火事旋風、煙旋風、蒸気旋風は、竜巻とはよばれない。[根本順吉・青木 孝]

竜巻と他の大気中の渦動との相違

竜巻は大気中に垂直軸をもつ強い渦動であるが、これが日常天気図などでみられる低気圧性の渦と異なる点は次のとおりである。
(1)普通の低気圧では、通常その水平方向の広がりが、その高さの数十倍ないし数百倍あり、たいへん偏平な渦であるが、竜巻は直径が100メートル以下で、高さは1000メートル程度である。このため垂直方向に著しく発達した渦巻である。
(2)低気圧の場合、北半球では渦が反時計回りである。竜巻の場合も同様に北半球では反時計回りの渦が多いが、まれに時計回りの竜巻もある。南半球ではこの反対である。
(3)風系としての規模は低気圧に比べ竜巻のほうがはるかに小さい。したがって竜巻に伴われた被害もきわめて局地的なものである。[根本順吉・青木 孝]

竜巻の成因

竜巻は、地面付近の渦が積乱雲の上昇気流と結び付いて発生する場合と、積乱雲の上昇気流の中にできた渦が地面に向かって下に伸びて発生する場合とがある。竜巻の多くは低気圧や前線に伴って発生する。台風に伴う竜巻も全体の約20%に達する。とくに台風の進行方向右前面で竜巻の発生が多い。日本海沿岸の地域では、寒冷前線や季節風による寒気の吹き出しに伴う竜巻が多い。[根本順吉・青木 孝]

竜巻に伴う現象

竜巻の中心付近の狭い範囲は風速がきわめて大きく、毎秒100メートル以上に達していることもあるが、その部分では、上昇気流もきわめて大きく地表の地物を巻き上げたり、水面からは魚を巻き上げて、離れた場所に魚の雨を降らせたりすることがある。
 大規模な竜巻は夜間に発光することがある。すでに写真撮影に成功した例もあり、古来、火柱が立ったとみられた現象の一部は、夜間の竜巻によるものと考えられる。[根本順吉・青木 孝]

竜巻の風速と被害

竜巻のF‐スケールと木造住宅の被害の関係は以下の通りである(1973年発行の藤田哲也著『たつまき』による。ただし、風速は除く)。F‐スケール(藤田スケール)は、シカゴ大学教授であった藤田哲也(1920―1998)が考案した、竜巻の強さを示す指標。
  F‐スケール:0
   名称 微細な竜巻
   木造住宅の被害
      ちょっとした被害
   風速 17~32(m/s)
  F‐スケール:1
   名称 弱い竜巻
   木造住宅の被害
      瓦が飛ぶ
   風速 33~49(m/s)
  F‐スケール:2
   名称 強い竜巻
   木造住宅の被害
      屋根をはぎとる
   風速 50~69(m/s)
  F‐スケール:3
   名称 強烈な竜巻
   木造住宅の被害
      倒壊する
   風速 70~92(m/s)
  F‐スケール:4
   名称 激烈な竜巻
   木造住宅の被害
      分解してばらばらになる
   風速 93~116(m/s)
  F‐スケール:5
   名称 想像を絶する竜巻
   木造住宅の被害
      跡形もなく吹き飛ぶ
   風速 117~142(m/s)
F‐スケールは数字を増すごとに被害の程度が進む。日本ではせいぜいF3どまり、アメリカでもF5はめったにおこらない。
 竜巻による最大風速をv(m/s)とすると、vとFの間には次のような関係がある。
  v=6.30(F+2)3/2m/s
また竜巻の経路の長さをl(エル)キロメートル(Plスケール)、竜巻の直径をwキロメートル(Pwスケール)とすると、この場合も0~5の段階が考えられている。竜巻はF、Pl、Pwのスケールによって定量的に見積もられ、さまざまな被害高などとの関係が求められている。なお、アメリカ合衆国では、竜巻による被害を見積もる対象を増やし、スケールと風速との関係を見直して使いやすいものに改良した藤田スケールEnhanced Fujita Scaleに、2007年から置き換えられている。[根本順吉・青木 孝]

分布

世界的にみると年間約1000個の竜巻が発生しており、地域的にもっとも多いのはアメリカ合衆国で年間約800個発生している。アメリカの中央部は世界でもっとも竜巻の発生しやすい地域である。とくにオクラホマを中心としてテキサスやカンザス、ネブラスカなどで多くみられる。
 このほかで竜巻の発生がみられるのはヨーロッパ、インド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国、パラグアイ、ウルグアイなどであり、緯度的には温帯に集中し寒帯、熱帯では少ない。ヨーロッパではアメリカに比較すると数はきわめて少なくなり、またあまり強い竜巻は現れない。ヨーロッパでもっとも多いのはイギリスで、ロンドン付近の丘陵地と南海岸に多い。赤道を挟んで、日本と対称の位置にあるのがニュージーランドであるが、竜巻の活動状況は日本とほとんど同じくらいである。多い年は20個以上発生するが、少ない年は5個以下という年もある。ただし、日本の竜巻とまったく異なっているのはその巻き方で、全体の99%が時計回りの渦巻である。[根本順吉・青木 孝]

竜巻の気候誌

東京大学大気海洋研究所の新野宏(にいのひろし)(1953― )らの統計によると、日本では1961~1993年(昭和36~平成5)の33年間に677個の竜巻が発生している。これは年間20.5個の発生である。地域別の統計によると、竜巻は沖縄がもっとも多く、本州の太平洋側でも多い。発生する時期をみると、9月がもっとも多く、3月が少ない。しかし日本海側では9月のほかに1月にも極大値が現れている。[根本順吉・青木 孝]

民俗

旋風が海水を空へ巻き上げる現象で、それを竜が天に昇るものとみるところから「竜巻」の名がある。竜は古代インド・中国における想像上の動物であるが、この俗信を受け入れた日本でも古くからタツという信仰はあった。『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に「龍、和名太都」とある。タツの語源はかならずしも明らかでないが、おそらくタッショ、カンダツなどの例のように、神霊の出現を意味する語であろうといわれている。そうとすれば竜巻こそまさに神霊の出現そのものを思わしめるものであったといえる。竜は中国においてすでに蛇形のものとする考えになっており、竜が天に昇るという思考もできていたから、日本の竜巻も自然この考えに支配された。橘南谿(たちばななんけい)(1754―1806)の『東遊記』(1795~1798)に、ある人の話として、東海道興津(おきつ)(静岡県)のあたりで竜巻がおこり、船中の人々恐れて頭髪を切って火に焼き、その臭気でこれを退けたとあるのは、竜巻の正体を蛇とみた表れであろう。[石塚尊俊]
『藤田哲也著『たつまき――渦の驚異』(1973・共立出版) ▽伊藤学編『風のはなし1』(1986・技報堂出版) ▽光田寧編著『気象のはなし』1~2(1988・技報堂出版) ▽日本流体力学会編『地球環境と流体力学』(1992・朝倉書店) ▽島田守家著『暴風・台風びっくり小事典――目には見えないスーパー・パワー』(1992・講談社) ▽島田守家著『やさしい気象教室』(1994・東海大学出版会) ▽小倉義光著『お天気の科学――気象災害から身を守るために』(1994・森北出版) ▽デイビッド・エリヤード著、原田朗日本語版監修、小野蓉子訳『ビジュアル学習図鑑ディスカバリー 気象』(1998・金の星社) ▽宮沢清治著『近・現代 日本気象災害史』(1999・イカロス出版) ▽災害情報センター編『災害・事故年鑑』平成12年版(2000・丸善) ▽ジャック・シャロナー著、平沼洋司日本語版監修『台風と竜巻――なだれからエルニーニョ現象まで異常気象を一望する』(2000・同朋舎、角川書店発売) ▽大野久雄著『雷雨とメソ気象』(2001・東京堂出版) ▽山岸米二郎著『天気予報のための風の基礎知識』(2002・オーム社) ▽青木孝著『いのちを守る気象学』(2003・岩波書店) ▽石原良純著『石原良純のこんなに楽しい気象予報士』(小学館文庫)』

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世界大百科事典内の竜巻の言及

【風】より

…したがって次式が成立する。上式をVについて解くとRが非常に大きい場合,すなわち等圧線がほぼ平行な場合は前に述べた地衡風となり,等圧線の曲率半径Rが小さい場合,例えば台風の中心付近や竜巻の域内はとなり,遠心力が非常に大きくて,コリオリの力がほとんど効いてこない。この風を傾度風と呼んでいる。…

【旋風】より

…通常,陸上に生じる激しい空気の渦巻で,竜巻よりも規模の小さいものをいい,つむじ風ともいう。直径は50m以下で寿命も数分程度であることが多い。…

【竜】より

… こうした超越的な動物である竜の原像となったのが何であったかについては,さまざまな推測がなされている。蛇との関係を指摘するのは水との結びつきにより,その鼻の形から豚,四足のある所から鰐(わに)と関係があるとされ,また天地を結ぶところから竜巻を原形としたとする説もある。出土遺物からみれば,後世の竜とつながる文様や竜形の玉器はすでに新石器文化の中に出現しており,卜辞にも竜の字が方国,部族名として見える。…

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