翻訳|aerosol
空気中に浮遊する微粒子一般を指す。新型コロナウイルス感染で問題となる
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
気体中に固体または液体の細滴が分散した系で,煙霧質,エアロゾルともいう。固体分散系にはちり,煙,液体分散系には霧,もや,雲なども含まれる。比較的安定なエーロゾルは10⁻6~10⁻3mm(1μm)程度のコロイド次元の大きさの径をもち,噴霧器で生じる煙霧はこれより大きな径をもち著しく不安定である。エーロゾルは分散法や凝縮法でつくられるが,径のそろったエーロゾルは多くの場合凝縮法でつくられる。これは原料物質の蒸気を断熱膨張させるか,あるいは冷却室中に導くことにより急速に冷却し凝縮させる方法で,このとき凝縮核が存在すると凝縮は容易に起こる。化学的凝縮,たとえば塩化水素とアンモニアの反応によって生じる塩化アンモニウムの煙,塩化ケイ素,塩化チタンが空気中の水分と反応して生じる白い煙などもある。また放電により金属粒子のエーロゾルをつくることもできる。エーロゾルは水中のゾルに比べてはるかに不安定であるが,霧,浮遊塵,スモッグなどの除去は,環境浄化,有用物質の回収などとして実際上重要な意義がある。比較的粗い粒子はろ過,洗浄,沈降,遠心分離などにより除去されるが,工業的に広く使われているのはコットレル集塵装置による電気的ろ過である(〈電気集塵〉の項参照)。そのほかエーロゾルの研究は,農薬など各種噴霧製品の開発,粉塵爆発の制御などに利用され,また,もや,雲,雨雪の生成過程など気象学的現象の理解に役立っている。
→煙
執筆者:妹尾 学
エーロゾルの健康への影響は,粒度に由来する物理的性質,および物質自体の化学的性質によって異なる。呼吸器官内に入るのは直径10μm以下のもので,肺内に最も沈着しやすい粒子の直径は2μmである。各種の重金属,ベンツピレンなどの多環芳香族炭化水素,放射性物質,殺虫剤などから成るエーロゾルの多量摂取は肺癌や腫瘍の発生を容易にする。日本では10μm以下のエーロゾルについて,浮遊粒子状物質の環境基準が定められている。
執筆者:塚谷 恒雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
エアロゾル,煙霧質ともいう.分散系の一種で,気体を分散媒とする.分散相が液体の例は霧で,固体が分散したものが煙である.安定度が悪く,容器中で放置すると分散粒子が沈降したり容器壁に付着するものが多い.汚染大気中に見られるいわゆるスモッグは浮遊粒子状物質を含む一種のエーロゾルである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…気象学的には,水平視程が1km以上の場合をいい,多少灰色がかって見える。 エーロゾルaerosol大気汚染では,固体または液体の粒子が大気中に浮かんでいるものをいう。浮遊粉塵,フューム,ミスト,煙などがある。…
…大気汚染発生源の多様化により,重金属,放射性物質,各種化合物塩類,錯塩,キレートなどが含まれるようになり,肺の深部まで到達する。 フュームfume融解した物質が酸化などの化学反応や揮発によって核となり,気体状大気汚染物質が凝縮してエーロゾルとなったもの。 ミストmistもやのこと。…
…空気中に浮遊している粒状物を一般に塵埃(じんあい)というが,このうち土砂岩石,金属,植物など固形物が破砕されてできる直径0.1μmから数十μmの微小粒子をいう。ただし広義には空気中の浮遊する微粒子状物質全般をさすこともあり,この場合,最近では浮遊粉塵またはエーロゾルともいう。広義の粉塵には,狭義の粉塵,フューム(金属を融解した際,ガス状の金属が凝結してできる0.1μm以下の微粒子),ミスト(液体が蒸発した後,凝集してできた液体微粒子)などが含まれる。…
※「エーロゾル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...
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