水村(読み)スイソン

デジタル大辞泉 「水村」の意味・読み・例文・類語

すい‐そん【水村】

水辺の村。水郷。「水村山郭さんかく

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精選版 日本国語大辞典 「水村」の意味・読み・例文・類語

すい‐そん【水村】

  1. 〘 名詞 〙 水辺の村。水郷。
    1. [初出の実例]「柳色陰々隔水村、休官帰去問田園」(出典:蕉堅藁(1403)題帰田図)
    2. 「はぜ釣や水村山廓(さんかく)酒旗の風〈嵐雪〉」(出典:俳諧・玄峰集(1750)秋)
    3. [その他の文献]〔杜牧‐江南春詩〕

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日本歴史地名大系 「水村」の解説

水村
たるみむら

[現在地名]福知山市字樽水

和久わく川上流の南側の谷と台地を占める。中世豊富とよとみ庄の地。村の西南に塩久しおく(約三一〇メートル)があり、氷上ひかみ郡塩久村(現兵庫県氷上郡青垣町)に達する。枝村に甘栗あまぐり村がある。「丹波志」に、

<資料は省略されています>

とある。朝暉神社文書によれば小物成・浮役運上として銀八匁三分、漆二合、山椒五合三勺、綿三三七匁五分があった。

中世末―近世初期、当地に樽水氏が城を構えていた。丹波国福知山領伝記(森望家蔵)に、「樽水ニハ樽水縫殿ト云者、掻上城ヲ構テ住ス、和久庄笹尾ノ城主攻落スト云」とあり、天津文書には「豊住ノ庄樽水村、樽水主殿助ト云者、小城ヲ構て住す、塩見氏来る時落城すと云」とある。


水村
やりみずむら

[現在地名]八王子市鑓水・北野台きたのだい三丁目

多摩川の支流大栗おおくり(鑓水川とも)の源流部にあたって多くの細流が谷戸地形をつくる山間に立地。北東は中山なかやま村。村の北端の鑓水峠は八王子方面と鎌倉・小田原方面を結ぶ道で、江戸後期からは八王子の市への往来道(浜道)として賑わい、近年まで市道いちみちという小字も伝えられていた。田園簿に遣水村とみえ、田六〇石余・畑五八石余で幕府領、ほかに医王いおう寺領七石・永泉えいせん寺領一〇石。寛文五年(一六六五)の田方畑方屋敷検地帳(篠崎家文書)が残る。元禄郷帳では高四二一石余。享保六年(一七二一)の山之根村高改帳では旗本岡部領七三石余、同じく中条(中将)領一〇〇石、幕府領二三三石余。


水村
たるみむら

[現在地名]常滑市樽水町・塩田しおた町・いずみ町・井戸田いどた町・阿野あの町・山方やまかた町・大曾おおそ

南北に走る西浦にしうら街道に沿って集落が発達。東に丘陵、東西に山林が広がり、東南隅のしま池から西に流れる川が、中央部の田畑を潤す。枝郷は街道の北に新井あらい、南に浜条はまじよう(「徇行記」では浦嶋・上松)がある。北は常滑村、西は伊勢湾に面する。「寛文覚書」によれば、概高四六一石余、田二四町一反余・畑二町五反余、家数五七、人数二八〇。竹腰山城守の拝領松山七五町余があった。明治初年には二九六軒となる(常滑市誌)。江戸初期の給人は付家老竹腰山城守。のち全村蔵入地。

村柄について、「徇行記」は「此村ハ農業第一ノ所ニテ漁人ハナシ。黒鍬ニハ四十人ホト江州アタリヘユケリ。



みずくまむら

[現在地名]松本市水汲

女鳥羽めとば(水汲川)の右岸と旧女鳥羽川の河岸にできた凹地帯にある。村の東部は女鳥羽川を隔てて浅間あさま村に接し、西は岡田おかだからの緩い丘陵の続きで小石の多い畑地帯となっていて、ここに後期積石塚数基があり発掘されている。もと女鳥羽川はこの地から西に切れて松本城山南麓に流れたもので、その形跡は今も残り、往時川は西に大きく折れ曲がっていたので、「水隈みずくま」転じて現在の用字となる。

中世から天正検地にかけて浅間郷の中に含まれる。古代は「和名抄」の辛犬からいぬ郷の一部と思われる。寛永三年(一六二六)浅間郷ははら村・浅間村・水汲村に分れ、水汲村は一三九石七升四合と高付けされている(信州松本御領分村々高附帳)


水村
たるみむら

[現在地名]米原町三吉みよし

門根かどね村の北東に位置し中山道に沿う。天正一九年(一五九一)四月の御蔵入目録(林文書)に村名がみえ、高一一七石余。慶長高辻帳では高一三四石余。江戸時代を通じて彦根藩領。元禄八年大洞弁天寄進帳によると人数二六、うち寺社方二。

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普及版 字通 「水村」の読み・字形・画数・意味

【水村】すいそん

水辺の村。唐・杜牧〔江南春絶句〕詩 千里鶯いて、紅に映ず 水村山郭、酒旗の風 南四百十寺 多少の樓台、雨の中

字通「水」の項目を見る

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