嵐雪(読み)ランセツ

デジタル大辞泉 「嵐雪」の意味・読み・例文・類語

らんせつ【嵐雪】

服部嵐雪はっとりらんせつ

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精選版 日本国語大辞典 「嵐雪」の意味・読み・例文・類語

らんせつ【嵐雪】

  1. はっとりらんせつ(服部嵐雪)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「嵐雪」の意味・わかりやすい解説

嵐雪
らんせつ
(1654―1707)

江戸中期の俳人服部(はっとり)氏。通称彦兵衛、別号嵐亭治助、雪中庵、寒寥堂、玄峯堂(げんぽうどう)など。江戸・湯島の生まれ。初め新庄隠岐守(しんじょうおきのかみ)に出仕、以後30年間にわたり転々と諸侯に仕えたが、1675、76年(延宝3、4)、22、3歳のころ芭蕉(ばしょう)に入門、しだいに頭角を現し、90年(元禄3)には武士を廃して職業俳人となり、其角(きかく)と並ぶ江戸蕉門の中心として重きをなすようになった。其角同様、都会人的な好みを脱することができず、当代江戸俳壇流行の奇巧な句も多く、芭蕉晩年の「軽み」の風についてゆくことができなかったが、平明穏雅でけれん味のない質実な作風は、豊かな叙情性とあわせて、閑雅な趣をたたえている。其角とは対照的に、その性格も篤実温和であり、つねに師芭蕉の人格を敬慕し、その精神を体得しようとしている。後年黄檗(おうばく)禅に帰依して剃髪(ていはつ)し、不白玄峯居士と号したが、同じく禅門に帰した後妻烈女(れつじょ)は遊女の出であったという。編著に『其袋(そのふくろ)』『或時集(あるときしゅう)』、句集に『玄峯集』などがあり、門下には百里(ひゃくり)、吏登(りとう)ら優れた人々が輩出して、その系統はのちに雪門(せつもん)とよばれるようになった。墓所駒込(こまごめ)常験寺にあったが、いまは雑司ヶ谷本教寺に移されている。

[堀切 實]

 梅一輪一輪ほどの暖かさ

『酒井清一著『服部嵐雪』(『俳句講座2』所収・1958・明治書院)』

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改訂新版 世界大百科事典 「嵐雪」の意味・わかりやすい解説

嵐雪 (らんせつ)
生没年:1654-1707(承応3-宝永4)

江戸前期の俳人。姓は服部,幼名は久馬之助,通称は孫之丞,彦兵衛など。別号は嵐亭治助,雪中庵,不白軒,寒蓼斎など。江戸の人。父高治は新庄隠岐守などに仕えた下級武士で,嵐雪も一時,常陸笠間の井上相模守に仕えたことがある。延宝初年芭蕉に入門,1678年(延宝6)不卜編《俳諧江戸広小路》に付句が2句入集したのが作品の初見である。80年には同門其角の《田舎之句合》に序を草し,《桃青門弟独吟廿歌仙》に入集,以後《虚栗(みなしぐり)》《続虚栗》などに作品を採用された。88年(元禄1)には《若水》を刊行し,同年立机して宗匠となり,90年には《其帒(そのふくろ)》を刊行して俳名を高めた。94年《露払》の撰にからんで深川蕉門との対立を生じ,代えて《或時集(あるときしゆう)》を刊行。また翌年には芭蕉の一周忌追善集《若菜集》を刊行した。作風は柔和な温雅さを特徴とする。実力は其角と拮抗し,芭蕉をして〈両の手に桃と桜や草の餅〉と詠ましめたが,芭蕉没後は江戸俳壇を其角と二分するおもむきがあった。宝永4年10月13日没。追善集に百里撰《風の上》など。その門流は,雪門としてとくに中興期以後一派を形成した。〈名月や烟はひゆく水の上〉(《萩の露》)。
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百科事典マイペディア 「嵐雪」の意味・わかりやすい解説

嵐雪【らんせつ】

江戸中期の俳人。姓は服部。別号,嵐亭治助,雪中庵,玄峰堂等。江戸湯島の生れ。武家奉公を経て芭蕉の門に入り,頭角を現し,其角の《虚栗(みなしぐり)》に協力し,其角とともに江戸蕉門の双璧とされるにいたる。平明温雅な句風。江戸雪門の祖。句集に《玄峰集》,撰著に《其【ふくろ】(そのふくろ)》《或時集(あるときしゅう)》等。→蕉門十哲
→関連項目風俗文選

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「嵐雪」の解説

嵐雪 らんせつ

服部嵐雪(はっとり-らんせつ)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「嵐雪」の意味・わかりやすい解説

嵐雪
らんせつ

服部嵐雪」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の嵐雪の言及

【蕉門十哲】より

…許六の〈師の説〉に〈十哲の門人〉と見えるが,だれを数えるかは記されていない。その顔ぶれは諸書により異同があるが,1832年(天保3)刊の青々編《続俳家奇人談》に掲げられた蕪村の賛画にある,其角,嵐雪,去来,丈草,許六(きよりく),杉風(さんぷう),支考,野坡(やば),越人(えつじん),北枝(各項参照)をあげるのがふつうである。【石川 八朗】。…

※「嵐雪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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