永宣旨(読み)エイセンジ

デジタル大辞泉 「永宣旨」の意味・読み・例文・類語

えい‐せんじ【永宣旨】

ある特権永久に許可する勅命文書僧侶神官など、一度この宣旨で許可されれば代が替わってもその特権が認められた。

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精選版 日本国語大辞典 「永宣旨」の意味・読み・例文・類語

えい‐せんじ【永宣旨】

  1. 〘 名詞 〙 ある特権を永久に許可する宣旨。また、綸旨院宣形式で出されたものも永宣旨と呼んだ。政務のことにも用いられたが、僧侶の補任に用いられることが多い。ようせんじ。
    1. [初出の実例]「下官宣旨〈是永宣旨也〉、弁仰下雑事、一向官所知」(出典西宮記(969頃)一三)

よう‐せんじヤウ‥【永宣旨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「よう」は「永」の呉音 ) ある特別の権利を永久に許可する宣旨。えいせんじ。
    1. [初出の実例]「当国の国衙を、山門永代管領すべき由、永宣旨(ヤウセンジ)を成て補任せらる」(出典:太平記(14C後)一七)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「永宣旨」の意味・わかりやすい解説

永宣旨
えいせんじ

永久に特権を許可する宣旨で,僧官任命などに用いられた。たとえば,それによって紫衣着用などが一度認められると,その後継者もその特権を継承しえるような宣旨。平安時代以後,特に室町江戸時代に盛んに出された。ただし,宣旨の形でなく,綸旨院宣の形で出される場合も多かった。

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世界大百科事典(旧版)内の永宣旨の言及

【宣旨】より

…ただし,単に宣旨という場合は,口宣や官宣旨を指す場合があり,その判断には十分注意する必要がある。宣旨の内容による名称として,衾宣旨(ふすまのせんじ)や永宣旨(えいせんじ∥ようせんじ)などがあるが,永宣旨とは,本来勅許・官裁を経るべき事項を将来いちいちの申請なしにその者の判断でなしうる権限を付与した宣旨をいう。しかしこれは必ずしも宣旨によらず,官符・官牒・官宣旨・院宣・綸旨等による場合も永宣旨と称した。…

※「永宣旨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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