池田城跡(読み)いけだじようあと

日本歴史地名大系 「池田城跡」の解説

池田城跡
いけだじようあと

[現在地名]池田市城山町

五月さつき山南麓に築かれた国人池田氏の居城。西国街道と能勢のせ街道を押える北摂随一の要害。築城の時期は不明だが「大乗院寺社雑事記」文明元年(一四六九)七月二三日条に「摂州池田城一昨日没落」とある。城跡は自然丘陵を単郭に整地して築造されており、東は最大幅員二五メートルの堀、北は自然の谷、西は断崖で、南は現在民有地となっており、正確な地形はつまびらかでない。これらに区画される跡地は東西九〇メートル・南北一〇〇メートルに及び、東部に土塁状の施設がある。昭和四三年(一九六八)・同四四年に実施された発掘調査の結果、全域から焼土層が検出され、東部土塁下からは庭園遺構が出ている。出土品としては日常雑器類のほか、備前・丹波・信楽各窯の国産陶器、大明正徳年(一五〇六―二一)銘の染付や青磁・白磁などの中国産磁器がある。これらから、単なる山城ではなく建物と庭園を含む日常生活用の居館であったと推定されている。

池田氏の出自は明確にはできないが、その活動は南北朝時代からみられる。貞治二年(一三六三)五月二日の足利義詮御判御教書案(成簣堂大乗院文書)によると、奈良興福寺領加茂かも(現兵庫県川西市)の半済が、摂津守護赤松光範の被官池田弾正蔵人親政に安堵されたことが知られ、有力な土豪に成長していたことがうかがわれる。


池田城跡
いけだじようあと

[現在地名]池田町 ウエノ

吉野川右岸、西から延びた台地上に位置。大西城とも称し、中世大西氏の居城であった白地はくち城と混同しないために池田大西城ともいう。伊予・讃岐・土佐との国境に近く、近世初頭には蜂須賀氏によって阿波九城の一として整備された。

〔中世〕

承久の乱後に阿波の守護になった小笠原長清以降代々小笠原氏が居住し、守護所となったとも伝えるが不詳。「阿波志」は小笠原長清が築いたと伝え、「城跡記」は長清の子長経が拠ったと伝えている。また小笠原氏は最初勝瑞しようずい(現藍住町)におり、小笠原長房の時代に池田に移ったとする説もある(徳島県史)。南北朝末期、小笠原義長が三好氏を名乗り(「三好系図」など)、やがて守護細川氏の被官となって、遅くとも寛正六年(一四六五)までには三郡(三好・美馬・麻殖の三郡か)の守護代として活動するようになったといわれる。戦国時代には細川氏に代わって三好氏が実権を握るが、この頃までの三好氏の居城は当城説のほか、芝生しぼう(現三野町)説もあり不詳。


池田城跡
いけだじようあと

[現在地名]立山町池田

池田集落南方のじよう(比高一二五メートル)にある。大手の登り道は城山から北方に延びた尾根道で、途中堀切や階段状の郭跡が連なる。山上からは立山町域や富山市街の一部、さらに海までを望める。主郭跡は山頂の平坦面で、三〇×五〇メートルほど。主郭の北側に郭跡が三ヵ所、さらに東西両斜面に帯郭や腰郭がめぐる。主郭南側には細い尾根が延び、堀切跡が二ヵ所連続してみられる。注目されるのは西側中腹に設けられた方形の平坦面(二二×二五メートル)で、南側には土塁と大規模な竪堀がある。位置や規模などから城内でも中心的な居住施設の置かれた郭と考えられる。この郭跡や全体の規模から、当城はある程度長期にわたる居住性を備えていたと推測される。


池田城跡
いけだじようあと

[現在地名]氷見市久目

能登と氷見を結ぶ御上使ごじようし往来(臼ヶ峰越)に面した交通の要衝で、標高九〇・三メートルのじようみね山上に築かれている。比高約七〇メートルとさほど高い山ではないが、山上からは上庄かみしよう川沿いに中村なかむら方面を望める。三善朝宗伝(越中志徴)などによると、城主小浦氏(初め三善、のち小浦と称する)は応安年間(一三六八―七五)氷見に来住し、小浦こうら(現在の城ヶ峰)に築城・居住したという。


池田城跡
いけだじようあと

[現在地名]五日市町五日市七丁目

八幡やわた川の右岸、保井田ほいだ倉重くらしげとの境にあたる地毛じげ(寺家)の標高約五〇メートルのじよう山にある。「芸藩通志」に「一にしげ城と称す」とあり、寺家城ともよばれた。城主は、正徳五年(一七一五)の「芸州佐伯郡寺社」(「佐伯町誌」所収)は不明とするが、「五日市町誌」は初代城主を南北朝時代の池田教正とし、永禄九年(一五六六)からは毛利氏家臣高木信光としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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