沢村四郎五郎(読み)さわむらしろうごろう

世界大百科事典(旧版)内の沢村四郎五郎の言及

【時代劇映画】より

…松之助映画は1911年に始まった〈立川文庫〉に取材したものが多く,はでな忍術合戦や立回りを見せ場に,豪傑,剣客,義賊,忠臣,俠客などの活躍を描いた。14年創立の天活(天然色活動写真株式会社)では,日活の尾上松之助に対抗して沢村四郎五郎をスターとして押し立て,吉野二郎監督のもとに同工異曲の作品を量産,さらに数々のスターを生んだ。
[時代劇の語源]
 このブームの中で〈旧劇〉は〈時代劇〉に変貌していくのだが,変貌の核心となったのは,旧劇の魅力の中心である立回り=チャンバラ(刀で斬り合う音や状態を表す〈ちゃんちゃんばらばら〉の略)の近代化で,当時,大人気を博したフランスやアメリカの連続活劇や1917年創立の新国劇における迫真的な立回りの影響によって,スピード感のあるリアルなチャンバラが映画に現れた。…

【日本映画】より


[日本最初のカラー映画]
 14年,日活につづく映画大企業として,天然色活動写真株式会社(天活)が生まれた。これは,日活成立後まもなく日活を脱退し,それぞれに映画製作を始めた旧福宝堂系の小林喜三郎と山川吉太郎が創立した会社で,沢村四郎五郎(1877‐1932),市川莚十郎を主役に日活の松之助映画と同様の旧劇を量産するとともに,新派の連鎖劇に力を入れた。また,ごく初期だけのことながら,その社名にふさわしくカラー映画の製作を目ざし,日本最初のカラー劇映画の試作品《義経千本桜》(1914。…

※「沢村四郎五郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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