デジタル大辞泉
「実事」の意味・読み・例文・類語
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じつ‐じ【実事】
- 〘 名詞 〙
- ① ほんとうのこと。根拠のあること。実際のこと。
- [初出の実例]「凡告二人罪一、皆須下明注二年月一、指中陳実事上」(出典:律(718)逸文)
- 「夢に見る事、実事(ジツジ)にあらざるが如し」(出典:真如観(鎌倉初))
- [その他の文献]〔韓非子‐外儲説右下〕
- ② ( 副詞的に用いて ) 実際に。まことに。
- [初出の実例]「実事(ジツシ)面目なし」(出典:源平盛衰記(14C前)三四)
- ③ 男女のむつびごと。男女がともに寝ること。
- [初出の実例]「此夜実事ありやいなやの説々あり。或説には貞女の一種なれば実事なしと見るべしと云々」(出典:岷江入楚(1598)二)
じつ‐ごと【実事】
- 〘 名詞 〙 ( 「実」はまこと、まごころの意 )
- ① 歌舞伎で、分別があり、常識をわきまえた誠実な役柄。また、その演技や演出法。
- [初出の実例]「おさまれる実(じつ)事、ぶだうもろ共、大かたにしこなしたまへは」(出典:評判記・役者大鑑(1692)二)
- ② まじめなこと。真剣なこと。また、真実みがこもっていること。本当のこと。
- [初出の実例]「それは太夫さまともおぼえぬむごき御事と、実事(ジツゴト)を申出せば」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)江戸)
まめ‐ごと【実事】
- 〘 名詞 〙 実生活や政治に関するまじめなこと。真実なこと。
- [初出の実例]「あやしく、まめごと聞ゆれば、そらめにおはするかな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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実事 (じつごと)
歌舞伎の演技の系統の一つ。力を表現する荒事(あらごと),優しさを表現する和事(わごと)に対して,ごく普通の常識的な男性が悲劇的な状況の中で苦悩するありさまを描写する芸のかたちをいう。実事の〈実〉は写実の実に通じ,ファンタジックなおもしろさをもつ荒事や,ときにコミカルなタッチをもつ和事に対して,実事は《忠臣蔵》の大星由良助の演技などリアルな芸をいう。実事を得意にする俳優を〈実事師(じつごとし)〉という。
執筆者:渡辺 保
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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実事
じつごと
歌舞伎(かぶき)演出用語。人間の生活のなかで実際にありうる事件を、なるべく写実的に表現する演技・演出・場面などをいう。豪傑や神仏・妖怪(ようかい)の超人的な力を誇張して演じる「荒事(あらごと)」や、優美な色男をその恋愛描写中心に演じる「和事(わごと)」に対するもので、曽我(そが)兄弟の仇討(あだうち)を扱った「曽我狂言」のなかで忠臣鬼王(おにおう)新左衛門が活躍する「鬼王貧家」などは適例。また、こういう場面で中心になって動く実直で分別に富んだ役柄をさすこともあり、『忠臣蔵』の大星(おおぼし)由良之助、『菅原(すがわら)』の武部源蔵などは代表的な役である。この種の役柄を得意とする俳優を実事師とよぶ。なお、実事の系統のなかで、『石切梶原(いしきりかじわら)』の梶原景時(かげとき)や『布引滝(ぬのびきのたき)』の斎藤実盛(さねもり)など、やわらかみのある役柄を、和事の味を加えた実事という意味で「和実」とよぶこともある。
[松井俊諭]
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普及版 字通
「実事」の読み・字形・画数・意味
【実事】じつじ
事実。また、事実を確かめる。〔漢書、河間献王徳伝〕孝景(帝)
二年を以て立つ。學を修め古を好み、事を實にし是(正しき)を求む。字通「実」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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実事
じつごと
歌舞伎の役柄の一つで,またその演技をもさす。人格円満で正義感をもち,沈着,判断力をそなえ勇気をもって行動する役柄,たとえば『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助などをいう。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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