ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「河竹登志夫」の意味・わかりやすい解説
河竹登志夫
かわたけとしお
[没]2013.5.6. 東京
演劇研究家。本名俊雄。江戸末期から明治にかけて活躍した歌舞伎作者,河竹黙阿弥の曾孫。1946年東京帝国大学理学部物理学科を卒業したのち,早稲田大学に入り,演劇を専攻。1954年同大学大学院を修了。1957~58年アメリカ合衆国に留学。1964年早稲田大学教授,1990年共立女子大学教授に就任。日本の伝統演劇を世界のさまざまな種類の演劇と重ねて,違いと共通性を考察する比較演劇学を体系化し,歌舞伎をシェークスピア劇(→シェークスピア)などと並ぶ「バロック演劇」と位置づけた。歌舞伎公演の監修なども数多く手がけ,1960年から本格的になった歌舞伎の海外公演にたびたび同行し,講演や解説で普及に尽力した。1993年日本演劇協会会長に就任,2007年同名誉会長。著書に『比較演劇学』(1967),『作者の家:黙阿弥以後の人びと』(1980,読売文学賞,毎日出版文化賞),『歌舞伎』(2013)など多数。1968年芸術選奨文部大臣新人賞,2000年日本芸術院賞恩賜賞を受賞。1987年紫綬褒章,1995年勲三等旭日中綬章を受章。2001年文化功労者に選ばれた。
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