① スイレン科の多年生水草。各地の池沼や小川に生える。泥中に太い根茎がある。長柄があって水上に抜き出、葉身は長さ一〇~三〇センチメートルの長卵形または長楕円形で基部はやじり形。沈水葉は細長く、半透明な膜質でしわが多い。夏、花茎を水上にのばし、頂に径約五センチメートルの黄色の花を上向きに単生する。五枚の萼片は花弁状。花弁は多数あり、小形の長方形。果実は長さ四~五センチメートルの卵状球形で、水中で熟すとくずれて種子を放出する。和名は白く太い根茎の形状による。ヒメコウホネ、ベニコウホネ、オグラコウホネと呼ぶ種類がある。漢方では根茎を「川骨(せんこつ)」と呼び、健胃・強壮・止血剤として産前産後などに用いる。漢名、萍蓬草。かわほね。《 季語・夏 》 〔明応本節用集(1496)〕〔俳諧・毛吹草(1638)〕