河骨(読み)コウホネ

デジタル大辞泉 「河骨」の意味・読み・例文・類語

こう‐ほね〔かう‐〕【河骨/川骨】

スイレン科多年草小川池沼に生え、葉は長さ約30センチの長楕円形で、基部は矢じり形。夏、花柄水上に出し、黄色の花びら状のがくをもつ花を1個つける。かわほね。 夏》「橋の下闇し―の花ともる/青邨

かわ‐ほね〔かは‐〕【河骨】

こうほね

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精選版 日本国語大辞典 「河骨」の意味・読み・例文・類語

こう‐ほねかう‥【河骨・川骨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かわほね(河骨)」の変化した語 )
  2. スイレン科の多年生水草。各地の池沼や小川に生える。泥中に太い根茎がある。長柄があって水上に抜き出、葉身は長さ一〇~三〇センチメートルの長卵形または長楕円形で基部はやじり形。沈水葉は細長く、半透明な膜質でしわが多い。夏、花茎を水上にのばし、頂に径約五センチメートルの黄色の花を上向きに単生する。五枚の萼片花弁状。花弁は多数あり、小形の長方形。果実は長さ四~五センチメートルの卵状球形で、水中で熟すとくずれて種子を放出する。和名は白く太い根茎の形状による。ヒメコウホネ、ベニコウホネ、オグラコウホネと呼ぶ種類がある。漢方では根茎を「川骨(せんこつ)」と呼び、健胃・強壮・止血剤として産前産後などに用いる。漢名、萍蓬草。かわほね。《 季語・夏 》 〔明応本節用集(1496)〕〔俳諧・毛吹草(1638)〕
  3. 紋所の名。を図案化したもの。三つ河骨、三つ蔓河骨の丸、三つ割蔓河骨、割河骨などがある。
    1. 三つ河骨@三つ蔓河骨の丸@三つ割蔓河骨@割河骨
      三つ河骨@三つ蔓河骨の丸@三つ割蔓河骨@割河骨

かわ‐ほねかは‥【河骨】

  1. 〘 名詞 〙こうほね(河骨)《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「骨蓬 〈略〉和名加波保禰」(出典:本草和名(918頃))
    2. 「聖の好むもの〈略〉さては池に宿る蓮の蔤(はい)、根芹根蓴菜、牛蒡(ごんばう)かはほね独活(うど)蕨土筆(つくし)」(出典梁塵秘抄(1179頃)二)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「河骨」の解説

河骨 (コウホネ・カワホネ)

学名Nuphar japonicum
植物。スイレン科の抽水性多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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