事実問題(読み)じじつもんだい(英語表記)question of fact; Tatfrage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

事実問題
じじつもんだい
question of fact; Tatfrage

事実関係の確定に関する問題。法律問題に対する語。事実問題と法律問題の区別は,審級制度と関係する。 (1) 民事訴訟では法律問題が職権調査に服するのに反し,事実問題は弁論主義のもとにあり,かつ,事実問題の審理は,事実審 (第1審および控訴審) の専権に属し,上告審はこれを取り上げない (民事訴訟法) 。したがって,民事訴訟における事実問題と法律問題の区別は重要である。なお,事実認定の方法または手続に違法があれば,法令違反として,上告審で審査を受ける。 (2) 刑事訴訟では,法律問題,事実問題とも職権調査事項である。控訴審が事実問題および法律問題を審査し,上告審は法律問題の一部である憲法問題と判例違反の審査にかぎられるが (刑事訴訟法) ,事実誤認も原判決破棄の理由とされているから,事実問題と法律問題の区別はそれほど重要ではない。

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デジタル大辞泉の解説

じじつ‐もんだい【事実問題】

《〈ラテン〉quid facti》カント哲学で、認識が成り立つ事実を事実として問題にすること。→権利問題
訴訟事件の審判において、係争事案における事実関係の確定に関すること。→法律問題

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大辞林 第三版の解説

じじつもんだい【事実問題】

訴訟事件の審理において、事実関係の認定に関すること。 ⇔ 法律問題
〘哲〙 〔ラテン quid facti〕 カントの用語。認識を論究する際、当の事柄が、価値・権利の領域ではなく、事実の領域に属し、その因果や発生過程などに関して扱うべき主題であること。 ⇔ 権利問題

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精選版 日本国語大辞典の解説

じじつ‐もんだい【事実問題】

〘名〙
① 裁判で、法律的判断の前提となる事実の認定に関する問題。⇔法律問題
② (quid facti の訳語) 哲学で、認識が成り立つ事実上の過程について問題にすること。カントの用語。→権利問題
③ 一般に、意見や批判、理論や学説の可否ではなく、事実そのものが問題となる事柄。
※日本の下層社会(1899)〈横山源之助〉日本の社会運動「或はサンシモン、プールドン一流の唱ひたる社会の不平等を非難する事実問題なりとせんか」

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