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行政行為 ぎょうせいこうい Verwaltungsakt

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

行政行為
ぎょうせいこうい
Verwaltungsakt

行政庁が法令に基づいて,公権力の発動として,具体的事実について行う,外部に対して直接に法的効果を生じる行為。外部に対して直接に法的効果を生じることから,道路の修繕などの事実行為行政指導および通達,職務命令などの内部的行為と区別され,公権力の発動として一方的に行われそこにおける行政庁の意思に優越的な力が認められる点において,行政契約合同行為と区別される。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょうせい‐こうい〔ギヤウセイカウヰ〕【行政行為】

行政機関が、法規に基づき、意思の表示または公権力の行使として、具体的事実に関して法的規制をする行為。行政上の許可・免許・特許・認可など。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょうせいこうい【行政行為 Verwaltungsakt[ドイツ]】


[概念]
 行政行為ということばは,公の行政活動に含まれるさまざまな行為を漠然とさすこともあるが,行政法学上は,もっと限定された意味で用いられる。もともとはフランスにおいて形成され,ドイツで確立された概念であり,日本でも戦前から用いられているものである。行政処分ということもある。その厳密な定義は論者によって必ずしも一致していない。標準的な定義としては,一応,〈行政作用として人民の法律上の地位を直接具体的に規律することを目的とする行為であって,公権力の行使たる性質をそなえたもの〉ということができよう。

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大辞林 第三版の解説

ぎょうせいこうい【行政行為】

行政主体が、法に基づき、公権力の行使として国民に対し具体的に法的規制をする行為。行政主体の行為の中でも、特に、国民に対する一方的優越性が法律上認められ、行政主体が行う許可、免除、禁止、下命などがこれに相当する。法令上は、行政処分や処分などと規定される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

行政行為
ぎょうせいこうい

国または公共団体の行政庁が、法に基づき、優越的な意思の発動または公権力の行使として、国民に対し、具体的事実に関し法的規制をする行為をいう。講学上の観念で、実定法上は、命ずる、禁ずる、許可、免許、特許、認可、処分など種々の語が用いられる。もともと、ドイツ行政法の父といわれるオットー・マイヤーが、フランス行政法と民法の法律行為論を背景に体系化した観念である。前記の意味での行為は、その目的・性質・機能などにおいて他の国家行為や私法行為と異なる統一的特色が認められるというのが、行政行為観念を構成する理由である。
 法的効果を生ずる点で、事実行為(道路工事、行政指導など)と区別され、法的効果が外部に生ずる点で、内部的行為(通達行政庁相互の承認など)と区別され、個別的決定である点で、一般抽象的決定である立法行為と区別され、優越的な公権力的決定である点で、対等当事者間の行為である契約と区別される。ここでいう行政庁は実質的概念で、行政権に属する官庁のほか、裁判所や国会も行政作用を行う限りここでいう行政庁にあたる。
 行政行為はもともと前記のような実体法上の観念であるが、抗告訴訟の対象となる行政処分(行政事件訴訟法3条)と同義でもあった。ただ、近時は、実体法上は行政行為ではないにもかかわらず、抗告訴訟の対象として救済範囲を拡張するために形式的行政処分なる観念が提唱されている。[阿部泰隆]

行政行為の分類

行政行為は種々の観点から分類される。裁量の有無の観点からは自由裁量行為と覊束(きそく)裁量行為に、文書その他一定の形式の要否の観点からは要式行為と不要式行為に区別される。
 伝統的には法律行為的行政行為と準法律行為的行政行為の区別が重要である。これは民法の法律行為と準法律行為の区別に倣ったものである。法律行為的行政行為とは、意思表示を要素とする行政行為で、人の自然の自由の制限またはその制限の解除を目的とする命令的行為(下命・禁止・許可・免除)と、人が自然には有しない権利、権利能力、行為能力を付与し、または剥奪(はくだつ)する形成的行為(特許・剥権行為・認可・代理)に分けられる。準法律行為的行政行為は、意思表示以外の精神作用の発現(判断・認識・観念など)を要素とし、確認、公証、通知、受理に分けられる。この区別の実益として、法律行為的行政行為については、その法律効果は行政庁の効果意思(一定の法律的効果の発生を欲する意思)に基づいて発生するのに対し、準法律行為的行政行為にあっては、直接法規に基づいて発生すること、また行政庁は、法律行為的行政行為にあってはなんらかの裁量権を有するが、準法律行為的行政行為にあっては裁量権を有しないこと、などの差異が指摘されてきた。
 しかし、法律行為的行政行為の法律効果も法規に基づいて発生するのであるし、行政庁の裁量についても、法規(覊束)裁量の場合は法から自由な裁量が認められないので、準法律行為的行政行為と異ならない。行政行為の附款(条件・期限・負担など)についても、法律行為的行政行為でも法規裁量の場合は附款を附しえないので、準法律行為的行政行為と区別することはできない。このように今日では法律行為的行政行為と準法律行為的行政行為の区別に疑問が呈示されている。[阿部泰隆]

行政行為の効力

行政行為には、私法行為や他の国家行為にはみられない特殊な効力があるとされてきた。
 まず行政行為は原則として60日以内に不服申立てを、6か月以内に訴えの提起をしないと、原則として(無効の瑕疵(かし)がある場合を除き)争えない。これは、行政上の法律関係を早期に安定させるために、制定法(行政不服審査法14条、行政事件訴訟法14条)により認められた効力である(不可争力)。
 次に、違法な行政行為については、行政庁が職権で取り消しうるのが原則であるが、不服申立てに対する裁決など一定の行政行為については行政庁自身を拘束し、行政庁がたとえ誤りであると気づいても変更できない効力がある(不可変更力)。
 さらに、行政行為は、当然に無効となる場合のほかは、たとえ違法でも、権限ある機関によって取り消されない限り有効であり、相手方を拘束する(公定力)といわれている。これは一見、法治主義に反する理論にみえるが、今日では、違法な行政行為については取消訴訟により取消しを求めるという救済ルールが法定されている関係上、他の救済ルールのレベルでは行政行為の違法を争うことができないという制度の反映にすぎないといわれるようになった。たとえば、公売処分の取消しを経ずに公売物件の現所有者に返還を求めることができないのは、公売処分の取消訴訟を提起し、これによる公売処分の取消しを条件に現所有者に返還を求めるという救済方法が用意されているためである。[阿部泰隆]

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