肉親の葬礼に泣くことは人情の自然であるが、少し度を超えて儀礼的に、あるいは頼まれて泣くために加わる人をいう。『古事記』『日本書紀』にはキジやセキレイを哭女(なきめ)としたという記事があり、中国や朝鮮半島には哀号の習俗がある。日本で近年まで行われ、地名を示すことのできるものは35例ほどで、全国に散在するが、いくらか海岸部に多い。形式としては、葬列が墓場に着くと同時に急激に泣き始め、またぴたりと泣きやむとか、葬列で死者ともっとも血縁の近い女性が大声で泣いて行かぬと他人から笑い物になるとか、道々死者の名をいい「もう少しよい着物を着せたかった」などと物言い泣きをしたとかいう。また泣き女を頼んで泣いてもらう例もある。その泣き女に謝礼として与える米の量によって、一升泣き、三升泣きなどの段階を設ける所もあった。涕泣(ていきゅう)儀礼には魂迎えの呪術(じゅじゅつ)や悲しみの真情や社会的な思惑が入り交じっている。
[井之口章次]
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…したがっておなじ形而上詩でも,国教会派詩人の作品がイギリス的で抑制されたトーンを保つのにくらべ,クラショーのそれは大陸的で奔放華麗な印象をあたえる。〈バロックの守護聖人〉とも呼ばれるマグダラのマリアをたたえた《泣き女The Weeper》などは,白熱した信仰の告白と,グロテスクなまでに誇張された形而上派的奇想の用法によって,クラショー詩の,そしてイギリス・バロック文学の代表例と呼べるだろう。【川崎 寿彦】。…
※「泣き女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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