流動負債(読み)りゅうどうふさい(英語表記)current liability

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

流動負債
りゅうどうふさい
current liability

企業の負債のうち,相対的に短期間に現金で返済しなければならない項目であり,長期的な負債である固定負債とは区別して貸借対照表に計上される。具体的には,仕入れから販売に至る企業の営業循環のプロセス内にある買掛金支払手形などが流動負債とされ,営業循環に含まれない残りの項目については,決算日から1年以内に支払期限が到来する項目が流動負債となる。流動負債に対する流動資産の比率は流動比率と呼ばれ,また流動負債に対する当座資産の比率は当座比率と呼ばれて,企業の短期的な支払能力の尺度として利用される。

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デジタル大辞泉の解説

りゅうどう‐ふさい〔リウドウ‐〕【流動負債】

企業の所有する負債のうち、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に支払い期限が来るか、あるいは正常な営業循環過程にある負債。買掛金・支払手形・短期借入金前受金など。短期負債。→流動資産固定負債

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株式公開用語辞典の解説

流動負債

貸借対照表の貸方の負債の部のひとつ。短期間のうちに支払期限が到来する負債。買掛金等、企業の主目的である営業取引によって発生した負債や1年以内に支払期限が到来する企業の主目的ではない負債も流動負債とされる。短期の負債に対する企業の支払い能力を見るための指標として流動比率と当座比率がある。

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大辞林 第三版の解説

りゅうどうふさい【流動負債】

短期間内に支払期限または給付引渡期限が到来する負債のこと。短期負債。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

流動負債
りゅうどうふさい
current liability

貸借対照表上、貸方の負債の部に記載される項目。具体的には、比較的短期間のうちに弁済しなければならない債務、もしくは比較的短期間のうちに使用される引当金、および繰り延べられた収益が含まれる。固定負債に対する概念である。流動負債には、(1)企業の主目的たる営業取引によって生じた債務、(2)(1)以外の原因によって生じた債務で、1年以内に支払期限が到来するもの、(3)引当金のうち、1年以内に使用される見込みのもの、(4)前払費用および前受収益がある。
 負債を流動負債と固定負債に分類する考え方は、企業が主として銀行から資金を調達していた時代に、銀行が貸借対照表により企業の支払能力を判断したことの名残(なごり)である。しかし、今日においても実務上は流動・固定による分類が行われている。なお、分類基準には、主たる基準として営業循環過程基準と、それを補足する1年基準がある。[万代勝信]

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精選版 日本国語大辞典の解説

りゅうどう‐ふさい リウドウ‥【流動負債】

〘名〙 支払い期限が一か年未満の負債。支払手形・買掛金・短期借入金・前受金など。短期負債。

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世界大百科事典内の流動負債の言及

【運転資本】より

…企業の資金面での流動性を表す包括的な概念で,流動資産全体を総(gross)運転資本といい,流動資産から流動負債を引いた差額を正味(net)運転資本(純運転資本)という。通常の企業活動が続く場合,流動資産は1年以内に現金収入となる資産であり,流動負債は1年以内に現金で支出される債務である。…

【負債】より

…今日,社債と株式とがそれぞれ多様化し,両者がきわめて接近してきたり,あるいは両者の性格を併せもつ転換社債が普及してきたことなどに象徴されているように,負債と資本との境界線は必ずしも明確ではなくなってきた。したがって,企業の資金管理の観点からいえば,法的債務とそれ以外との区別よりもむしろ,長期的に調達しかつ運用しうる資金であるか否かを判別するための短期調達資金(流動負債)とそれ以外の資金(長期借入金や社債などの固定負債と,純資産額としての各種の資本との合計額)との区別が最も重要である。負債の分類は,今日では種々の観点から行われるが,資金の調達源泉のちがいと支払時期の長短とに基づく分類が基本になることはいうまでもない。…

※「流動負債」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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