改訂新版 世界大百科事典 「浅妻船」の意味・わかりやすい解説
浅妻船 (あさづまぶね)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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歌舞伎(かぶき)舞踊。長唄(ながうた)。本名題『浪枕月浅妻(なみまくらつきのあさづま)』。1820年(文政3)9月江戸・中村座で3世坂東三津五郎が初演した『月雪花名残文台(つきゆきはななごりのぶんだい)』という七変化(へんげ)舞踊の一つ。2世桜田治助作詞、2世杵屋(きねや)佐吉作曲、3世藤間勘兵衛・2世市山七十郎(なそろう)振付け。琵琶湖に浮かべた舟で旅人を慰めたという遊女の姿を、英一蝶(はなぶさいっちょう)の絵から写し、水干(すいかん)、立烏帽子(たてえぼし)の白拍子として舞踊化したもの。遊女のはかない境涯を歌った歌詞で、作曲が優れ、クドキから羯鼓(かっこ)、振鼓(ふりつづみ)を使った踊りが見どころ。ほかに常磐津(ときわず)、箏曲(そうきょく)、うた沢などにも同名の曲がある。
[松井俊諭]
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出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…滋賀県坂田郡米原町にある琵琶湖岸の港。その名のおこりは大和朝妻より朝妻造の一族が移住したとの伝承にある。東山・北陸両道の分岐点箕浦のすぐ西に位置していたため古代より湖北の要港として栄えた。《和名抄》に坂田郡九郷の一つとして朝妻郷がみえ,《延喜式》には皇室の御厨として朝妻筑摩の名がみえる。鎌倉期には朝妻郷の地域を中心とする朝妻荘があり,当初法勝寺領であったが,亀山院―昭慶門院―恒明親王―臨川寺と伝領された。…
…1100年前後の成立と考えられる《遊女記》(大江匡房著)は古代の遊女のありさまを描写したものであるが,そこに取り上げられたのは淀川河口の江口,神崎(かんざき)などに集まっていた遊女である。同様に水辺で小舟に乗って売春する街娼的遊女として浅妻船(あさづまぶね)の存在がしられている。また《傀儡子記(くぐつき)》(大江匡房著)には人形遣いである傀儡女(くぐつめ)が,半芸・半娼の遊女として各地を移動していたことを記している。…
※「浅妻船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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