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液状化現象 えきじょうかげんしょう

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知恵蔵2015の解説

液状化現象

水を含んだ砂質地盤が、地震の際に液体のように噴き出す現象。流砂現象噴砂現象、クイックサンドともいう。
地盤の砂粒どうしが押し合う圧力を、砂の間隙(かんげき)にある水の圧力が地震の揺れによって上まわると、水が砂の粒子を押し広げて上昇し、水の中に砂が混ざった状態になって液体のように流動する。地盤が支持力を失って建物が倒れたり、砂まじりの水が地表に噴出したり、地盤が亀裂・沈下したりすることもあり、大きな被害となる。地下に埋設されている浄化槽など内部が空洞の構造物やマンホールが、地表に浮き上がることもある。
河成沖積地や埋め立て地、砂質の緩斜面や盛り土など、地盤が比較的緩く、地下水位が高いところで起こりやすい。逆に、粘土のように土の粒子が強く吸着し合っているような地盤では起こりにくい。
液状化現象には複数のタイプがあり、1964年の新潟地震では、砂が泥水となって噴き出る「噴砂」が主となり、95年の阪神・淡路大震災では砂よりも大きな岩や礫(れき)が噴出する「噴礫」が起こった。後者は、直下型地震の強い衝撃波によって、地下水が上昇すると同時に、埋め立て地の地層が破壊されたためと考えられている。
液状化・噴砂の後は、砂の粒子の結束が以前よりも硬くなり、その結果、地層が収縮して地盤沈下が起こりやすい。また、地層が平坦でない場合や岸壁で流動化が起こると、地盤が低い方や海側へずれる「側方流動」が起こる。阪神・淡路大震災では、ポートアイランドの岸壁が破壊されたり、建築物の基礎が破壊されたりするなど大規模な被害をもたらした。
2011年3月の東日本大震災に伴う液状化現象の規模は、東京湾沿岸に限っても、少なくとも東京ドーム約900個分の面積に相当する約42平方キロメートルと世界最大だったことが地盤工学会現地調査明らかになった。噴砂は、千葉県浦安市東京都江東区などで厚さ約30センチと国内最大だった。
液状化を防ぐには、地下水位をさげ、地盤を締め固め、構造物を液状化しない深所に定着させるなどの対策がある。東日本大震災でも、東京ディズニーリゾートや幕張メッセなど、液状化対策の地盤改良を施した地区では大きな被害はなかった。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

液状化現象

水分の多い砂地の地盤に振動を与えたとき、地中の砂や小石と水が分離し、比重の軽い水と泥が地表に集まって軟弱になる現象。新潟地震では基礎の浅い建物が、重みで沈んだり倒れたりした。

(2014-06-18 朝日新聞 朝刊 新潟全県 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

えきじょうか‐げんしょう〔エキジヤウクワゲンシヤウ〕【液状化現象】

液状化1

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

液状化現象
えきじょうかげんしょう

水で飽和した粒ぞろいの砂質地盤が地震の際に液体のようにふるまう現象。流動化、流砂現象、噴砂現象ともいう。そのような地盤は強い地震動をうけると短時間に体積を縮小しようとするが、水が逃げ切れないので間隙(かんげき)水圧があがり、それが砂粒どうしの押し合う圧力をしのぐと、地盤全体が比重の大きい液体の状態になる。地盤が液状化すると、砂まじりの水が地表に噴出したり、地盤が亀裂、沈下したりして、惨害をおこしやすい。従来から河成沖積地や埋め立て地でよく発生した。砂質の緩斜面や盛り土も液状化しやすい。代表的な例としてあげられる1964年の新潟地震では、公営アパートの不等沈下による倒壊など、被害が続出した。液状化を防ぐには、地下水位をさげ、地盤を締め固め、土の粒度分布をかえる。また、構造物を液状化しない深所に定着させるなどの対策がある。[諏訪 彰]

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