清玄桜姫(読み)せいげんさくらひめ

精選版 日本国語大辞典 「清玄桜姫」の意味・読み・例文・類語

せいげん‐さくらひめ【清玄桜姫】

清玄桜姫との物語を題材とした浄瑠璃歌舞伎総称清水(きよみず)寺の清玄が桜姫に恋し、堕落して寺を追われ、ついに桜姫のしもべに殺されるが、執念がなお姫につきまとうという筋を取り入れたもの。「一心二河白道(いっしんにがびゃくどう)」(近松門左衛門作。元祿一一年(一六九八)京都万太夫座初演)、「清水清玄六道巡(きよみずせいげんろくどうめぐり)」(竹田治蔵・並木翁輔合作。宝暦一二年(一七六二)大坂中の芝居初演)、「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」(四世鶴屋南北作。文化一四年(一八一七江戸河原崎座初演)など。

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デジタル大辞泉 「清玄桜姫」の意味・読み・例文・類語

せいげん‐さくらひめ【清玄桜姫】

浄瑠璃歌舞伎の一系統で、清水寺の清玄法師が桜姫の容色に迷い、破戒の末に殺され、亡霊となって姫につきまとう筋のもの。土佐少掾の浄瑠璃「一心二河白道いっしんにがびゃくどう」が最も古いほかに「桜姫東文章さくらひめあずまぶんしょう」などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「清玄桜姫」の意味・わかりやすい解説

清玄桜姫
せいげんさくらひめ

人形浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)脚本の一題材。清水(きよみず)寺の清玄法師が美しい桜姫に恋して破戒のすえに殺され、その執念が長く姫に付きまとうというのが大筋典拠になった史実、伝説は未詳だが、『太平記』中の志賀寺の上人(しょうにん)の話を脚色したものらしい。古くは土佐浄瑠璃の『一心二河白道(いっしんにがびゃくどう)』があり、歌舞伎では延宝(えんぽう)年間(1673~81)から演じられたという。現在上演されるものは多くの作が混合してできあがった台本で、書替え物に4世鶴屋南北(つるやなんぼく)作の『桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)』『隅田川花御所染(すみだがわはなのごしょぞめ)(女清玄)』があり、また人名を変えた『岩倉宗玄(いわくらそうげん)』などがある。

[松井俊諭]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「清玄桜姫」の解説

清玄桜姫
(通称)
せいげん さくらひめ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
一心二河白道 など
初演
元禄8.7(江戸・山村座)

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