済ます(読み)スマス

デジタル大辞泉 「済ます」の意味・読み・例文・類語

すま・す【済ます】

[動サ五(四)]《「澄ます」と同語源》
なすべき物事を全部してしまう。「食事を―・す」「支払いを―・す」「引き継ぎを―・す」
借りた金などをすっかり返す。返済する。「借金を―・す」
代わりのもので問題が解決したことにする。その場はそれでよいことにする。間に合わせる。「金で―・す」「立場上、知りませんでしたでは―・されない」「お昼はそばで―・す」
(動詞の連用形に付いて)すっかり、そのものになる。うまく、しおおせる。「刑事になり―・す」
[可能]すませる
[類語]終える仕上げる片付ける上げるこなすやっつける処理する料理する解決する始末するかたを付けるけりを付ける畳む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「済ます」の意味・読み・例文・類語

すま・す【済】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. そのことをなしおえる。済むようにする。はたす。
    1. [初出の実例]「其方拾芥抄を見られたるや、尽く済されたるやと尋ぬ」(出典:随筆・槐記‐享保九年(1724)四月二九日)
    2. 「明日の支度はもう済して仕舞ったものを」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  3. ( 他の動詞の連用形について ) そのことをうまくなしとげる。まんまとそのことに成功する。→澄ます
    1. [初出の実例]「継母は訴へすましぬるよと嬉しくて」(出典:曾我物語(南北朝頃)二)
    2. 「欽若が上の 厭兵ことを知すまいて」(出典:史記抄(1477)一五)
  4. 借りを返す。返済する。返金する。
    1. [初出の実例]「しちにかき入候しよたい、余人にたんかうせしめ、永代うり、かのしやくせんをすまし候に付ては、是非にをよはす」(出典:塵芥集(1536)九五条)
  5. その場はそれでよいことにしておく。まにあわせる。
    1. [初出の実例]「コレ他人まぜずならすましもせうが、他(ひと)さまが聴いてござるに、へぼといはれては了簡がならねへ」(出典:滑稽本・古今百馬鹿(1814)上)

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