渡邊鉱(読み)わたなべこう(その他表記)watanabeite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「渡邊鉱」の意味・わかりやすい解説

渡邊鉱
わたなべこう
watanabeite

硫塩鉱物の一つ。1993年(平成5)清水正明(まさあき)(1953― )らによって、北海道札幌市手稲(ていね)鉱山閉山)から報告された砒(ひ)四面銅鉱に近縁の新鉱物。1971年マスクF. MaskeとスキナーBrian J. Skinner(1928― )によって合成されたCu24As12S31にも類似する。手稲鉱山の浅熱水性の金、銀、銅鉱脈鉱床中に産し、石英と共存する。ほかの硫化物はほとんど伴わない。自形は未確認。命名は手稲鉱山産自然テルルおよびシルバニア鉱の研究を行った鉱床学者の渡邊武男(1907―1986)にちなむ。

加藤 昭 2018年12月13日]


渡邊鉱(データノート)
わたなべこうでーたのーと

渡邊鉱
 英名    watanabeite
 化学式   Cu4(As,Sb)2S5
 少量成分  Bi,Ag,Fe,Mn
 結晶系   斜方直方
 硬度    4.5
 比重    4.66
 色     帯銀鉛灰
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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