砒四面銅鉱(読み)ひしめんどうこう(その他表記)tennantite

最新 地学事典 「砒四面銅鉱」の解説

ひしめんどうこう
砒四面銅鉱

tennantite

テナンタイトともいう鉱物四面銅鉱族(tetrahedrite group)のうち,砒四面銅鉱系(tennantite series)の名称で使われる。多くの砒四面銅鉱とされてきたものは,鉄砒四面銅鉱(tennantite-(Fe))-亜鉛砒四面銅鉱(tennatite-(Zn))固溶体である。砒黝銅鉱とも言われた。以下,鉄砒四面銅鉱-亜鉛砒四面銅鉱固溶体の主な諸性質を示す。立方晶系,空間群,格子定数a1.019nm,単位格子中2分子含む。四面体結晶のほか,粒状,塊状など。金属光沢劈開なし。硬度4〜4.5。比重4.62(測定値),4.61(計算値)。鋼灰〜鉄黒色,条痕黒〜褐黒色,Znの多いものほど赤味が強い。不透明,反射光下で帯オリーブ灰色,暗赤色の内部反射。反射能 R = 23.2%(640nm)〜31.4(540)。鉱脈鉱床・スカルン鉱床黒鉱鉱床などの銅鉱床から,産出。英国の化学者,S. Tennant(1761〜1815)にちなみ命名

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参照項目:四面銅鉱

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「砒四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

砒四面銅鉱
ひしめんどうこう
tennantite

銅の硫塩鉱物の一つで、その鉱石鉱物となる。日本では、黒鉱鉱床、低~中温熱水鉱脈鉱床などに産し、しばしば正四面体を基調とする自形をなす。黒鉱鉱床では閃(せん)亜鉛鉱、方鉛鉱、重晶石などとともに産して黒鉱の主成分をなし、熱水鉱床でも石英脈中に黄銅鉱などと産する。兵庫県生野(いくの)鉱山閉山)では、十数種の銅、亜鉛、鉛、銀、鉄、マンガン、錫(すず)、タングステンヒ素蒼鉛(そうえん)、コバルト鉱物と共存している。同系の安四面銅鉱より産出はまれ。英名はイギリスの化学者テナントにちなむ。

[加藤 昭 2018年7月20日]


砒四面銅鉱(データノート)
ひしめんどうこうでーたのーと

砒四面銅鉱
 英名    tennantite
 化学式   Cu10(Fe,Zn)2[S|(AsS3)4
 少量成分  Ag,Hg,Pb,Co,Ni,Cd,Sb,Se
 結晶系   等軸
 硬度    4.5
 比重    4.4~4.8
 色     鉄黒
 光沢    金属
 条痕    黒~暗赤(Feに乏しいもの)
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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