湯郷温泉(読み)ユノゴウオンセン

デジタル大辞泉 「湯郷温泉」の意味・読み・例文・類語

ゆのごう‐おんせん〔ゆのガウヲンセン〕【湯郷温泉】

岡山県美作みまさか市にある温泉泉質塩化物泉奥津温泉湯原ゆばら温泉とともに美作三湯の一。平安時代円仁白鷺しらさぎに導かれて発見したという伝説が残る。

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日本歴史地名大系 「湯郷温泉」の解説

湯郷温泉
ゆのごうおんせん

[現在地名]美作町湯郷

吉野よしの川右岸の湯郷にある温泉。現在源泉が二ヵ所あり、泉温は摂氏四〇・二度から四二・九度、泉質は硫化水素臭を有する含塩化土類食塩泉で、効能はリウマチ性疾患・運動機能障害など。現在約三〇ヵ所の宿泊施設があり、中国自動車道の開通に伴い京阪神からの利用客もみられ、年間五〇万人を数えるという。

一〇世紀中葉の壬生忠見の「忠見集」に詠まれる「かつまたのみゆ」は当地とみられる。

<資料は省略されています>

また「玉葉」治承二年(一一七八)三月二三日条に「美作勝間田湯」とあり、源中納言が当湯で風痺を治すつもりだとみえる。「明月記」にもみえ、安貞元年(一二二七)一〇月一〇日条に膝足疾に効験あると聞くと記し、寛喜三年(一二三一)七月二二日条には能登前司長政が来て晦日頃当湯に行く予定とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯郷温泉」の意味・わかりやすい解説

湯郷温泉
ゆのごうおんせん

岡山県東部、美作(みまさか)市湯郷にあり、美作三湯(さんとう)の一つ。吉野川西岸にあり、伝説では慈覚大師円仁(えんにん)がシラサギに導かれて発見したといい、鷺の湯(さぎのゆ)、鷺温泉ともいわれた。近世には津山藩主の森氏、松平氏の保護を受けた。明治、大正期には湯治場であったが、国鉄(現、JR)姫新(きしん)線開通以後、阪神方面からの客も多い。泉質は単純温泉。温泉資料館がつくられていて、また近くには総合運動公園、ゴルフ場、観光農園などがある。姫新線林野(はやしの)駅からのバス便があるほか、岡山駅からの直通バスもあり、中国自動車道美作インターチェンジにも近い。

[由比浜省吾]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯郷温泉」の意味・わかりやすい解説

湯郷温泉
ゆのごうおんせん

岡山県北東部,美作市にある吉野川沿いの温泉。平安時代円仁によって発見されたといわれ「鷺の湯」と名づけられたと伝えられる。泉質は硫黄泉,食塩泉。泉温 43℃。中央共同浴場のまわりに旅館街が形成され,観光施設が整っている。奥津温泉湯原温泉とともに美作三湯をなす。付近に日本原台地がある。

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