湯原温泉(読み)ゆばらおんせん

日本歴史地名大系 「湯原温泉」の解説

湯原温泉
ゆばらおんせん

[現在地名]湯原町湯本

湯原湖の南にある。古くから開けた温泉で、美作三湯の一つにあげられる。東に雨乞山あまごいせん(八八九・三メートル)、西に大沼おおぬま山、北に山がそびえ、この摺鉢の底に温泉地が旭川の流れと山懐に抱かれ開けている。昭和二九年(一九五四)湯原ダムができるまでは当地一帯の渓谷を旭川きよくせん峡と称していた。湯原奥津ゆばらおくつ県立自然公園に含まれ、昭和三一年町内の真賀まがたる郷緑ごうろく各温泉を含め、国民保養温泉地に指定された。これらの温泉を併せて湯原温泉郷の通称がある。河底数ヵ所から噴泉し露天風呂としている湯原ダム大堰堤直下のすな(摂氏四一度)を中心に、川のほとりに数ヵ所の泉源がある。泉源は摂氏五〇・一度、無色透明・アルカリ性単純温泉で、皮膚病・リウマチ性疾患・神経症などに効能がある。

開発起源は明らかでないが、一条天皇の頃播磨国書写山の性空がこの里に来て病に冒され、天童の告げで温泉を得たが、至徳年中(一三八四―八七)矢疵を負った大蛇が入湯、これをおそれて久しく荒廃していたという(作州湯原温泉記)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯原温泉」の意味・わかりやすい解説

湯原温泉
ゆばらおんせん

岡山県北部、真庭(まにわ)市にある温泉。10世紀に播磨書写(はりましょしゃ)山の性空上人(しょうくうしょうにん)が開いたと伝え、美作三湯(みまさかさんとう)の一つとして知られる。泉質二酸化炭素泉。湯原ダム下流の河原には野天の温泉もある。民俗資料館、独楽(こま)の博物館などがある。また、1989年(平成1)2キロメートル南方に下湯原温泉が湧出(ゆうしゅつ)した。JR姫新(きしん)線中国勝山駅からバスの便がある。

[由比浜省吾]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯原温泉」の意味・わかりやすい解説

湯原温泉
ゆばらおんせん

岡山県北部,真庭市中北部の湯原旭川沿いに位置する温泉。美作三湯の一つ。泉質は単純泉。泉温は 35~51℃。神経痛,リウマチ,むち打ち症によく,国民保養温泉地に指定。旭川の渓流は景色がよく,近くに人工の湯原湖があってレクリエーションに好適。蒜山高原 (→蒜山 ) への観光拠点でもある。河原に湧く砂吹湯は有名。湯原奥津県立自然公園に属する。

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デジタル大辞泉プラス 「湯原温泉」の解説

湯原温泉

岡山県真庭市にある温泉地。泉質は低張性アルカリ高温泉。戦国武将宇喜多秀家が、母おふくの方のためにこの地に湯屋を設置したとの記録がある。地域団体商標

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