遊漁(読み)ユウギョ

デジタル大辞泉 「遊漁」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ぎょ〔イウ‐〕【遊漁】

娯楽として釣りや漁をすること。「遊漁料」

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精選版 日本国語大辞典 「遊漁」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐りょうイウレフ【遊漁】

  1. 〘 名詞 〙 魚釣りをして遊び楽しむこと。趣味として釣りや漁をすること。
    1. [初出の実例]「鎌倉河岸に住むおしまの情夫某が遊漁(イウレフ)に出て帰るさ、おしまの死骸を見付けて其筋へ斯と訴へ出たので」(出典:江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七)

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改訂新版 世界大百科事典 「遊漁」の意味・わかりやすい解説

遊漁 (ゆうぎょ)

〈ゆうりょう〉と読むこともできるが,一般に〈ゆうぎょ〉という。遊漁とは,水面で魚や水産動物,貝など水界生物を採捕するレジャーである。遊漁の水面は,海面河川湖沼などの内水面に分かれる。遊漁の方法には,船釣り,磯釣り,突堤などでの陸(おか)釣りのほか,潮干狩り地引網,簀(す)立てなど各種の観光漁業がある。海面遊漁人口は近年増加しているが,8割近くが釣りであり,潮干狩りが十数%を占める。遊漁船である釣船や渡し船(瀬渡し)には漁業者の漁船(漁業者の遊漁兼業)が多く,その所有漁船中約2割が遊漁客を乗せている,という水産庁の調査結果もある(〈漁家遊漁所得状況調査〉,1980)。一方,遊漁者が自分のボートで遊漁するケースも増えている。遊漁釣具の高性能化も,大手釣具メーカーの手で積極的に進められている。

 これまで海面遊漁の場所・方法などに対する法の規制はほとんどなかった。海のレジャーは自由である。しかし遊漁が水界生物を採捕するレジャーであるかぎり,水界生物の採捕,販売を暮しの手段とする漁業者との間で,トラブルの発生は避けられない。また遊漁者自身の気ままさによる,磯釣遊漁者の遭難も増加している。漁業と海面遊漁とのトラブル防止については,漁業協同組合による自主的な遊漁の制限,漁業者団体と遊漁者団体との海面利用をめぐる話合いが各地にみられるが,十全の効果はあげていない。今後の海面遊漁問題では,漁業者による海面の生産的利用とレジャー的利用を,時期,場所,遊漁の方法等について,どのように調和させ,調整していくかが課題である。こうしたなかで,水産庁長官の私的諮問機関である漁場管理制度研究会が1983年〈沿岸漁民の生活を守るため,海釣りに規制の網をかぶせ,釣船を登録制などにしたり,入漁料をとれるようにする〉ことを骨子とする内容の報告書をまとめ,これを受けて沿岸漁場整備開発法(1974年5月公布)等の改正が同年6月行われ即日施行された。これにより,全国の都道府県で遊漁案内船の登録化と背番号制(密漁などの取締りの円滑化を目的にしている)が実施に移され,また有力漁場で〈遊漁制限水面(釣り禁止区域)〉と〈遊漁利用水面(いわば海の釣堀。利用料が必要)〉が指定された。前者は漁業者が水産資源の保護培養を図っている区域である。
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百科事典マイペディア 「遊漁」の意味・わかりやすい解説

遊漁【ゆうぎょ】

漁業法の法律用語で,レジャーを目的に海・川・湖沼で魚や貝などを取ることをいい,レジャーフィッシングともいわれる。漁業法では,川や湖沼といった内水面における漁業権を漁場管理や稚魚放流の義務を負った漁業協同組合にのみ認め,非組合員である遊漁者には遊漁規定によって,一定の入漁料を組合に納めることが義務付けられている。近年はアウトドアスポーツの流行などで遊魚人口の増加が続き,1993年の第9次漁業センサスの結果によれば,海では延べ3730万人,内水面では延べ1340万人がレジャーフィッシングを楽しんでいる。
→関連項目釣り

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「遊漁」の意味・わかりやすい解説

遊漁
ゆうぎょ

漁業を職業としない一般人が、釣りなどで魚貝類を採捕して楽しむことをいう。「ゆうりょう」とも読む。漁業を職業とすることを職漁(しょくりょう)というのに対することば。この場合、遊漁者から入漁料や傭船(ようせん)料を徴収して営む事業を観光漁業という。

[吉原喜好]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遊漁」の意味・わかりやすい解説

遊漁
ゆうぎょ
sport fishig

漁業を職業としていない人が,営利に関係なくレジャーを目的に釣り,潜水,潮干狩りなどを行うこと。所得向上や余暇時間の増大により遊漁人口は年々増加しており,そのため漁場や漁港利用などをめぐって漁業者との間に摩擦が生じている。 1988年7月に大型釣船『第一富士丸』と海上自衛隊潜水艦『なだしお』の衝突事故が発生したことを契機に,同年 12月遊漁船業の適正化に関する法律が制定された。これは,遊漁船業者の届け出義務,全国遊漁船業協会による基準適合者の登録とマル適マークの交付,利用客の安全確保と利便の増進などを定めたものである。

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農林水産関係用語集 「遊漁」の解説

遊漁

レジャーを目的として釣り等の方法により行う魚介類の採捕。

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