炭素一四(読み)たんそじゅうし(その他表記)carbon 14

精選版 日本国語大辞典 「炭素一四」の意味・読み・例文・類語

たんそ‐じゅうし‥ジフシ【炭素一四】

  1. 〘 名詞 〙 質量数一四の炭素放射性同位体。原子核記号 6C14 原子質量一四・〇〇三二三九。半減期五七三〇年。陰電子を放出するベータ崩壊によって安定窒素一四となる。炭素の放射性トレーサーとして広く利用されるほか天然に存在するものは数千年から数万年前の考古学的な年代測定に利用される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「炭素一四」の意味・わかりやすい解説

炭素14
たんそじゅうし
carbon 14

質量数 14の炭素同位体。半減期 5730年でβ崩壊する。β線の最大エネルギーは 0.115MeV 。γ線は放出しない。窒素 14に速い中性子を当ててつくられ,炭素のトレーサーとして広い分野で大量に利用されている。そのため単に放射性炭素とも呼ばれる。天然では大気上層で二次宇宙線中性子と大気主成分である窒素との核反応でつくられ,二酸化炭素となり,大気中,生体中,海水中にほぼ均一濃度で広く分布している。この放射能による年代測定はラジオカーボンデーティングとして広く応用されている。

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化学辞典 第2版 「炭素一四」の解説

炭素14
タンソジュウヨン
carbon 14

C-14ともいう.原子番号6の炭素の放射性同位体.β線を出して崩壊し,窒素14になる.その半減期は5730 y である.炭素の放射線同位体のなかではもっとも半減期が長いため,多くの標識化合物をつくるのに使用されている.炭素14の製造には,窒素14の(n,p)反応が利用される.また,宇宙線作用で大気中に生成する炭素14の生体による固定を利用して,考古学的な年代測定が行われている.[別用語参照]放射性炭素による年代測定

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