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無水マレイン酸 むすいマレインさんmaleic anhydride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

無水マレイン酸
むすいマレインさん
maleic anhydride

マレイン酸の2個のカルボキシル基から,水1分子が除かれた無水酸。融点 52.8℃の無色の結晶。水に溶けてマレイン酸になる。アセトンクロロホルムベンゼンなどに可溶。アルコールと反応してエステルを生じる。ディールス=アルダー反応 (ジエン合成) の試薬として用いられる。プラスチック,医薬,農薬の合成原料となる。

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世界大百科事典 第2版の解説

むすいマレインさん【無水マレイン酸 maleic anhydride】

マレイン酸の2個のカルボキシル基から1分子の水がとれた構造をもつ環式酸無水物。融点52.6℃,沸点202℃の昇華性針状晶。アセトン,クロロホルム,ベンゼン,酢酸エチルなどに可溶,四塩化炭素,石油エーテルに難溶。水に可溶で,水溶液中で徐々に加水分解を受けてマレイン酸を生じる。還元すると無水コハク酸になり,高温で水を付加してDL‐リンゴ酸を生じる。親ジエン剤としての反応性が強く,共役二重結合をもつ化合物とディールス=アルダー反応(ジエン合成)を行いシクロヘキセンジカルボン酸誘導体を生じる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無水マレイン酸
むすいまれいんさん
maleic anhydride

酸無水物の一つ。ベンゼンを気相で酸化すると得られ、工業的にも酸化バナジウムまたは酸化モリブデンを触媒としてベンゼンを空気酸化して製造している。昇華性のある無色の結晶。水に溶かすと加水分解されてマレイン酸になる。アセトンやクロロホルムによく溶ける。共役二重結合をもつジエンとディールス‐アルダー反応を行い炭素6員環化合物を与える。水素化すると無水コハク酸になる。ポリエステル樹脂、塗料、農薬、医薬の合成原料になる。[廣田 穰]

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