デジタル大辞泉 「片貝川」の意味・読み・例文・類語 かたかい‐がわ〔かたかひがは〕【片貝川】 富山県東部を流れる川。毛勝けかち三山西斜面に源を発し、魚津市と黒部市の境で布施ふせ川を合流して富山湾に注ぐ。2000メートルを超える山から長さ27キロで海に流れ出る急勾配こうばいのため、日本屈指の急流河川となっている。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
日本歴史地名大系 「片貝川」の解説 片貝川かたかいがわ 富山県:魚津市片貝川立山連峰の北端に源を発し、魚津市中央を北北西に向かって一気に流れ下り、黒部市との境の河口近くで布施(ふせ)川を合せて富山湾へ注ぐ。二級河川で、流域面積一六九平方キロ、流長約二八キロ。源流は、猫又(ねこまた)山(二三七八メートル)に発する南又(みなみまた)谷、毛勝(けかち)山(二四一四・四メートル)から流れ出る東又谷の二支谷で、その後、駒(こま)ヶ岳(二〇〇二・五メートル)・僧(そう)ヶ岳(一八五五・四メートル)からの北又谷(東又谷に合流)や別又(べつまた)谷を合せたのち平野部に出る。わが国屈指の急流で、平均勾配八・五パーセント。そのため上・中流部には七ヵ所に発電所がつくられ、山麓に形成された扇状地の西端に魚津市街がある。名称の由来は、片峡(カタカイ)すなわち片側だけの峡谷とする説が有力である。急流河川であるため、古来より洪水の氾濫と河道の変遷を繰返してきた。かつては現在の流路よりかなり西方を流れていたが、嘉暦三年(一三二八)の洪水で大きく東遷し、独立した河川であった布施川の流路を奪って現流路を形成したという(下新川郡史稿)。上流の山間部は崩壊性の地質で、洪水の度に土砂を流し出すため河床の上昇が大きい。 片貝川かたかいがわ 長野県:南佐久郡片貝川北八ヶ岳山系の北端、諏訪郡境大河原(おおがわら)峠の東北方畳石(たたみいし)山(一八七二・五メートル)の東北の渓谷、上小田切(かみおたぎり)(現臼田町)字鹿首(ろつくび)(およそ一五〇〇メートル)に源を発して東北流し、観音平(かんのんだいら)川を合して上小田切の平地(七七〇メートル)に出る。それより中小田切・同新田・下小田切(いずれも現臼田町)の各集落を潤して、稲荷(いなり)山の西麓から流れを北西に転じて山麓線に沿って、臼田(うすだ)・本新町(ほんしんまち)・大沢(おおさわ)・前山(まえやま)・小宮山(こみやま)・桜井(さくらい)・今岡(いまおか)(いずれも現佐久市)の諸集落を貫通して、下県(しもがた)(現佐久市)の東方(六五〇メートル)で千曲川に注ぐ。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「片貝川」の意味・わかりやすい解説 片貝川かたかいかわ 富山県東部、立山連峰の北に続く毛勝(けかち)三山の猫又(ねこまた)山、釜谷(かまたに)山、毛勝山の西斜面に源を発し、魚津(うおづ)市域の東部山地を流れ、扇状地を形成し、河口近くで布施(ふせ)川を合流して富山湾に注ぐ。延長27キロメートルの中流河川であるが、平均河床勾配(こうばい)1000分の65とわが国屈指の急流河川。片貝川に発電所7、総発電量は最大5.2万キロワット。『万葉集』にみえ、大伴家持(おおとものやかもち)は「片貝の川の瀬清く行く水の……」と詠んでいる。[深井三郎] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by