牛頭馬頭(読み)ごずめず(英語表記)niú tóu mǎ tóu

精選版 日本国語大辞典 「牛頭馬頭」の意味・読み・例文・類語

ごず‐めず ゴヅメヅ【牛頭馬頭】

〘名〙 仏語。頭が牛や馬の形をし、からだは人である地獄獄卒
往生要集(984‐985)大文一「牛頭馬頭等諸獄卒、手執器杖、駆令入山間」
太平記(14C後)三三「牛頭馬頭(コツメヅ)阿放羅刹共十余人前後に随へ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「牛頭馬頭」の意味・読み・例文・類語

ごず‐めず〔ゴヅメヅ〕【牛頭馬頭】

頭が牛や馬で、からだは人の形をした地獄の獄卒。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「牛頭馬頭」の意味・わかりやすい解説

牛頭馬頭 (ごずめず)
niú tóu mǎ tóu

牛頭は,梵語gośīrṣa,馬頭はaśvaśīrṣaの漢訳語。地獄にいる牛頭人身,馬頭人身の獄卒をいう。牛頭馬面ということも多い。手に鉄叉を持って罪人を突いたり焼いたりする最下級の冥卒である。また地獄に落ちて,牛あるいは馬の頭の形をしている罪人をいうとする文献(《阿毘曇論》第八)もある。
牛頭天王
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

四字熟語を知る辞典 「牛頭馬頭」の解説

牛頭馬頭

仏教でいう、頭が牛や馬の形をし、からだは人である地獄の獄卒。

[使用例] われ想うに奴輩死して地獄に入り、牛首馬頭の鬼とならんと欲すといえとも、またまさに難かるべし[成島柳北柳橋新誌|1874]

[使用例] とにかくそういういろいろの人間が、火と煙とが逆捲く中を、牛頭馬頭の獄卒にさいなまれて、大風に吹き散らされる落葉のように、紛々と四方八方へ逃げ迷っているのでございます[芥川龍之介地獄変|1918]

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android