馬頭(読み)メズ

デジタル大辞泉 「馬頭」の意味・読み・例文・類語

め‐ず〔‐ヅ〕【馬頭】

頭が馬で首から下が人間の姿をした地獄の獄卒馬頭羅刹めずらせつ。「牛頭ごず馬頭

うま‐の‐かみ【馬頭】

馬寮めりょう長官。従五位上相当。左右馬寮に一人ずついる。

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精選版 日本国語大辞典 「馬頭」の意味・読み・例文・類語

ば‐とう【馬頭】

[1] 〘名〙
① 馬のあたま。
菅家文草(900頃)四・路次見芭蕉「三千世界空如是、所以停鞭泣馬頭」 〔李白‐送友人入蜀詩〕
② 石またはコンクリート埠頭岸壁のこと。馬頭壁。〔工学字彙(1886)〕
合巻偐紫田舎源氏(1829‐42)八「予は田舎由縁ある馬頭(バトウ)をひたすら信ずれども」

うま‐の‐かみ【馬頭】

〘名〙 馬寮(めりょう)の長官。左右あり、それぞれ一人いる。従五位上相当。
伊勢物語(10C前)八二「右のむまのかみなりける人を、常にゐておはしましけり
九暦‐九条殿記・駒牽・天慶七年(944)九月一四日「王卿・近衛次将・馬頭助等依例可馬、是若随宣旨所行歟」

め‐ず ‥ヅ【馬頭】

〘名〙 仏語。頭は馬、体は人の形をした地獄の獄卒。→牛頭馬頭(ごずめず)
高野山文書‐文安六年(1449)六月日・高野山天野舞童装束注文「一 弐貫五百文 馬頭之装束織物二丈三尺代」 〔首楞厳経‐八〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬頭」の意味・わかりやすい解説

馬頭
ばとう

栃木県北東部、那須郡(なすぐん)にあった旧町名(馬頭町(まち))。現在は那須郡那珂川町(なかがわまち)の東部を占める地域。茨城県と境する八溝(やみぞ)山地の農山村。1891年(明治24)武茂(むも)村が馬頭村と改称して町制施行。1954年(昭和29)武茂(西武茂村が改称)、大山田、大内の3村と合併。2005年(平成17)小川町(おがわまち)と合併して那珂川町となる。国道293号、461号が通じる。旧町域の中心は、那珂(なか)川の支流武茂川の段丘上に位置する馬頭で、鎌倉時代にその北方に宇都宮氏の武茂城が置かれて以来の中心町である。交通環境は悪く、工業化も遅れ、人口も停滞している。産業の中心は農業で、タバココンニャクが盛んであったが、近年は減少した。かわって園芸農業と水稲作および低山での林業を組み合わせて行われ、さらに酪農、養豚も盛んである。伝統的な窯業として小砂焼(こいさごやき)が有名。

[櫻井明久]

『『馬頭町郷土誌』(1968・馬頭町)』『『馬頭町史』(1990・馬頭町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬頭」の意味・わかりやすい解説

馬頭
ばとう

栃木県東部,那珂川町中・東部を占める旧町域。八溝山地の西斜面にある。 1891年町制。 1954年大内村,大山田村,武茂村の3村と合体。 2005年小川町と合体して那珂川町となった。中心地区の馬頭は那珂川左岸にあり,江戸時代タバコの集散地で問屋が多く集まり,繁栄した。農業は米作が中心で,ほかにタバコ,コンニャクイモの栽培などが行なわれる。北部の小砂 (こいさご) では,小砂焼と呼ばれる食器などを生産。国指定史跡の唐御所横穴や古刹の馬頭院などがある。一部は八溝県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「馬頭」の意味・わかりやすい解説

馬頭 (ばとう)

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