牟田悌三(読み)ムタ テイゾウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「牟田悌三」の解説

牟田 悌三
ムタ テイゾウ


職業
俳優

肩書
チャイルドライン支援センター代表理事,世田谷ボランティア協会理事長

生年月日
昭和3年 10月3日

出生地
東京市(東京都)

学歴
麻布高卒 北海道大学農学部卒

経歴
北海道大学農学部在学中からNHK札幌放送劇団に入りラジオドラマに出演。卒業後は東京に戻り、劇団テアトルエコーの創設に参加。3年後フリーとなり、以後、喜劇的演技が持ち味の脇役として映画テレビ舞台、ラジオと幅広く活躍した。「すし屋のケンちゃん」「ケーキ屋ケンちゃん」「ケンにいちゃん」「おそば屋ケンちゃん」など、1970年代に人気を集めたTBSのテレビドラマ〈ケンちゃん〉シリーズでは、宮脇康之演じる“ケンちゃん”の父親役を演じ、子どもを優しく包み込む温厚な父親像は番組の顔として親しまれた。一方、54年から始まった同局のドラマ「3年B組金八先生」第1シリーズでは、一転して、杉田かおる演じる妊娠する女生徒の厳しい父親役を熱演した。55年〜平成17年TBSラジオ「牟田悌三 あなたのための税金相談」のパーソナリティーを担当した。他の出演作に、映画「ともだち」「星空マリオネット」「四季・奈津子」「ヒポクラテスたち」「裸の大将放浪記 山下清物語」「千利休・本覚坊遺文」、ドラマ「おれは男だ!」「独眼竜政宗」「江戸中町奉行所」「八代将軍吉宗」「大地の子」「元禄繚乱」「帽子」(遺作)などがある。また、長男の中学生時代にPTA会長を務めた経験から、ボランティア活動、地域活動にも尽力。いじめ問題解決のために子ども専用の相談電話「チャイルドライン」の普及に努め、11年NPO法人・チャイルドライン支援センターを設立、代表理事に就任。中央教育審議会委員、世田谷区ボランティア協会理事長なども歴任し、12年には世田谷区ボランティア協会での活動が評価され、吉川英治文化賞を受けた。

受賞
吉川英治文化賞(第34回)〔平成12年〕,博報賞(第32回)〔平成13年〕

没年月日
平成21年 1月8日 (2009年)

伝記
対話 山田洋次〈2〉映画は面白いか 山田 洋次 著(発行元 旬報社 ’99発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「牟田悌三」の解説

牟田悌三 むた-ていぞう

1928-2009 昭和後期-平成時代の俳優,福祉活動家。
昭和3年10月3日生まれ。北大卒業後,東京で劇団テアトルエコーを結成。のち映画,テレビ,舞台などで活躍。PTA活動を契機に昭和61年世田谷ボランティア協会を結成。理事長として幅ひろく活動し,とくにいじめなど子供をとりまく問題では先駆的な役割をはたす。平成12年協会とともに吉川英治文化賞。子ども相談電話「チャイルドライン」の普及にもつくした。平成21年1月8日死去。80歳。東京出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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