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物自体 ものじたいDing an sich; thing in itself

5件 の用語解説(物自体の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

物自体
ものじたい
Ding an sich; thing in itself

カント哲学の基本概念。「本体」とも訳される。「物」「現象」に対する語。カントによれば,現象は認識主観によって構成されるものであり,物自体ではない。物自体はむしろ現象の根源にあるもので不可知物であるが,思惟可能な仮定であり,カントはこれを現象の背後に仮定せざるをえない思惟の要請であるとした。

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デジタル大辞泉の解説

もの‐じたい【物自体】

《〈ドイツDing an sichカント哲学で、感官を触発して表象を生じさせることによって、われわれに現れた限りでの対象(現象)の認識を得させる起源となるが、それ自体は不可知であるもの。現象の背後にある真実在。本体。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

物自体【ものじたい】

カントの用語〈Ding an sich〉の訳。〈本体〉と同義で,〈現象〉の対。カントは,現象は認識主観が経験に与えられた感覚内容を総合構成したものと考えたため,物自体は感覚の源泉として想定し得るが,認識し得ぬものとした。
→関連項目ショーペンハウアー

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大辞林 第三版の解説

ものじたい【物自体】

〘哲〙 カント哲学の中心概念。経験的認識の対象である現象としての物ではなく、現象の起源として主観とは独立にある物そのもの。物自体は認識できず、ただ思惟されるだけのものであるが、超越論的自由はそれにおいてこそ可能となる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

物自体
ものじたい
thing in itself英語
Ding an sichドイツ語
chose en soiフランス語

カントの用語。カントによれば、われわれの周辺に広がる世界は、従来思われてきたように物のあるがままに現れているものではなくて、感性の先天的形式(空間・時間)を通して外から与えられた物が、悟性の先天的形式(範疇(はんちゅう))によって総合的に構成されたものである。したがって、われわれのもっとも素朴な感覚与件でさえ、すでに空間・時間という主観の形式を経由したものであるから、われわれは感覚を刺激する外なるものをそのあるがままに認識することができない。それをカントは物自体とよぶ。のち『実践理性批判』においては、物自体の世界を自由の概念と結び付けて、現象界に対して叡智界(えいちかい)と名づけた。物自体概念は、カント哲学の要石(かなめいし)であると同時に、批判が集中した概念であり、その後のドイツ観念論の発展――フィヒテの自我概念に始まる絶対者概念の成熟――はそのままこの概念に対する批判的発展であったともいえる。[武村泰男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の物自体の言及

【もの(物)】より

…(6)ライプニッツのこの考え方はカントによっても受けつがれる。彼は人間の認識に与えられる物の〈現象Erscheinung〉と,その背後にある〈物自体Ding an sich〉とを区別するが,この物自体は意志つまりある種の力を本質とするものと考えられている。カントの思想を継承したショーペンハウアーは,物自体を明確に意志・意欲・生命力としてとらえている。…

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