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実践理性批判 じっせんりせいひはん Kritik der praktischen Vernunft

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

実践理性批判
じっせんりせいひはん
Kritik der praktischen Vernunft

ドイツの哲学者カント道徳哲学に関する主著。三批判書の一つで,第二批判ともいわれる。予備学『道徳形而上学の基礎づけ』 (1785) のあとに,1788年刊行された。第一批判 (理論理性の領域) では理性の諸理念 (霊魂の不滅,自由,神の存在) は消極的なものにとどまったが,実践の領域では理性の諸理念は道徳の対象となり,理性により積極的に要請される。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実践理性批判
じっせんりせいひはん
Kritik der praktischen Vernunftドイツ語

カントの主著の一つで、いわゆる「三批判書」の2番目にあたり、倫理、行為を論じたものである。『純粋理性批判』では対象認識に向かう理論理性が吟味されて、経験を超えた物自体を扱おうとする従来の独断的形而上(けいじじょう)学が否定された。意志を規定する実践理性を検討する本書では、不可知の物自体は道徳的行為のなされる場としての英知界であり、したがって新しい道徳形而上学が可能であることが示された。カントはここで、われわれは経験的要素に左右されずに義務にだけ基づいて行為すべきである、という厳粛で形式主義的な道徳を確立した。また道徳法則の根底には自由があり、人間は自由で自律的な人格の共同体としての目的の国に属すること、徳と幸福とが一致するためには魂の不滅と神とが要請されねばならぬことなどが論究された。しかし現象界と英知界との厳しい二元的対立を統合する課題は『判断力批判』にゆだねられる。本書は道徳哲学の最高傑作の一つとして不滅の価値をもつものである。[藤澤賢一郎]
『『実践理性批判』(波多野精一・宮本和吉訳・岩波文庫/豊川昇訳・角川文庫) ▽深作守文訳『実践理性批判』(『カント全集 第7巻』所収・1965・理想社) ▽樫山欽四郎訳「実践理性批判」(『世界の大思想 第11巻 カント』所収・1965・河出書房)』

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