深刻な事故を起こしたため、国が30~40年の長期にわたって管理する原子力施設。2012年(平成24)改正の原子炉等規正法(正称「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」)に基づき、同年11月、国(原子力規制委員会)は東北地方太平洋沖地震の影響により重大事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所を、初めて特定原子力施設に指定した。特定原子力施設に指定すると、国は電力会社などの原子力施設事業者に対し、法的に廃炉作業の安全確保策などを盛り込んだ実施計画の提出や変更を命令できる。改正原子炉等規正法が施行される以前は、炉心が溶融した福島第一原発の安全規制も正常な原発と法的に同列で扱われていた。このため福島第一原発の事故後、国は東京電力に作業計画を提出させていたが、法律に規定された手続きではなく、計画変更を求める権限もなかった。改正法施行で特定原子力施設に指定できるようになり、国による原子炉規制や監視を通じて管理を強めることができる。
福島第一原発が特定原子力施設に指定されたことで、原子力規制委員会は東京電力に対し、原子炉などの監視、燃料の適切な貯蔵、汚染水の処理、作業員の被曝(ひばく)線量管理などの手法や手順を盛り込んだ実施計画を提出するよう要求、専門家を交えて実施計画の妥当性を審査し、2013年8月に実施計画を認可した。ただし、海などに漏れ出している汚染水対策を早急に進めることなどの注文をつけた。今後、国は「特定原子力施設監視・評価検討会」を随時開催し、作業の進捗状況や技術開発状況を踏まえ、福島第一原発の監視・評価を続ける。
[編集部]
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