特定規模電気事業者(読み)とくていきぼでんきじぎょうしゃ(英語表記)partial power supplier

知恵蔵の解説

特定規模電気事業者

1999年5月成立の改正電気事業法で新たに規定され、2004年から500kW以上(05年から50kW以上)の高圧需要家を市場とする、一般電気事業者以外の電力供給事業者。04年5月までに12社が市場に参入した。一方、発電市場では、独立発電事業者(IPP:independent power producer)が、先進国のみならず発展途上国でも重要な役割を担いつつある。米国では、1992年の国家エネルギー政策法(EPAct)や96年のFERC(連邦エネルギー規制委員会)による送電網へのオープンアクセス命令で、卸電力市場は完全に自由化。高い経済成長率をたどり、慢性的な電力不足に悩むアジア各国では、公的資金が不十分なため外資によるIPPを積極的に活用。

(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

特定規模電気事業者

2000年の電力小売り一部自由化を受けて、商社やガス会社などが設立した電気の小売事業者。全国に約50社あり、大手電力会社の送電網を使って契約先に供給する。販売先は当初、工場など大規模な事業者に限られていたが、05年に契約電力が「50キロワット以上」に引き下げられ、小中学校やスーパーなどにも広がった。PPSは、PowerProducerandSupplierの略。

(2012-04-23 朝日新聞 朝刊 福岡 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

とくていきぼ‐でんきじぎょうしゃ〔‐デンキジゲフシヤ〕【特定規模電気事業者】

契約電力が50キロワット以上の需要者に対して、一般電気事業者が所有する電線路によって電気を供給する事業者。PPS(power producer and supplier)。新電力
[補説]平成12年(2000)施行の改正電気事業法によって電気の小売が自由化され、一般企業が電力事業に参入できるようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

特定規模電気事業者
とくていきぼでんきじぎょうしゃ

2000年(平成12)から2016年まで存在した発電事業者の分類の一つ。東京電力や関西電力などの大手電力会社(旧称、一般電気事業者)とは別に、大口電力需要家(原則50キロワット以上)向けに、大手電力会社の電線網を使って電気を小売りしていた電気事業者をさした。PPS(power producer and supplier)、あるいは新電力ともよばれた。2016年4月に改正電気事業法が施行され、家庭向けなど50キロワット未満の電力小売りが完全自由化されたのに伴い、特定規模電気事業者という名称は電気事業法から消え、一般電気事業者とひとくくりで小売電気事業者となった。
 全国に10社ある大手電力会社が独占した電力小売市場の自由化を目ざして2000年に施行された改正電気事業法で初めて規定され、電気小売事業への新規参入が可能となった。2004年から500キロワット以上、2005年には50キロワット以上の大口需要家向けに電力を供給。2015年6月末時点で、全国に商社、ガス会社、石油会社、鉄鋼会社などが運営する693社(届出累積件数)の特定規模電気事業者があった。一般に特定規模電気事業者の電気料金は大手電力会社より安く、原子力発電以外の風力、太陽光、小型水力などの再生可能エネルギーに電源を依存している事業者が多いという特徴があった。2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故後、電気の購入先を大手電力会社から特定規模電気事業者に切り替える動きが広がった。なお、2016年4月の改正電気事業法の施行で、電気事業者の類型は大きく「発電事業者」「送配電事業者」「小売電気事業者」に分け直され、旧来の10電力会社(一般電気事業者)と新規事業者(特定規模電気事業者)との区分はなくなり、かつての特定規模電気事業者は経済産業省・資源エネルギー庁の審査を経て、小売電気事業者への登録が必要となった。[矢野 武]

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