特許に関する紛争を判定するための手続き。特許法に基づき、日本では特許庁長官が指定する審判官3人または5人の合議制で行われる。特許審査の上級審として特許審査の拒絶査定を見直すと同時に、知的財産権の有効性をめぐる紛争を早期解決する役割を担う。書面審理や関係者が一堂に会する口頭審理を行い、特許が無効であるかどうかなどの判断である「審決」を下す。審決は特許庁がインターネット上で公開している。審決に不服がある場合には、知的財産高等裁判所(知財高裁)に訴えて争うことができる。その上告審は最高裁判所である。この意味で、特許審判は特許に関する裁判の一審に相当する。
特許審判には、審査官の行った拒絶査定に対して不服を申し立てる拒絶査定不服審判や補正却下不服審判のほか、無効審判や訂正審判などがある。無効審判は特許法第123条、商標法第46条に規定されており、特許や商標、意匠等に異議をもつ者が特許庁に異義を申請する。たとえば、新規性のない発明、他人の登録商標と類似する商標などが誤って登録されてしまうことがあり、これを無効にする道を開くための審判である。無効審判は利害関係者を含めだれでも請求できるが、特許や商標の侵害を訴えられたライバル企業が相手の権利そのものを無効にするために請求するケースが多い。無効審決が確定すると、原則として最初からその権利はなかったものとなる。訂正審判は特許法第126条に規定されており、特許の一部に間違い(瑕疵(かし))があり、その間違いを理由に特許全部が無効にされる恐れがある場合に、自発的に間違った部分のみを修正する手続きである。無効審判が行われている間は、訂正審判を請求することはできない。
2013年(平成25)における特許審判の請求件数は、以下のとおりである(『特許行政年次報告書2014年度』)。拒絶査定不服審判は特許2万4644件、商標1012件、意匠363件。補正却下不服審判は意匠のみで3件。無効審判は特許247件、商標96件、意匠20件、実用新案4件。訂正審判は特許のみで238件。取消審判は商標のみで1190件。
[編集部]
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