デジタル大辞泉 「鷹」の意味・読み・例文・類語 たか【×鷹】 タカ目タカ科の鳥のうち、小形ないし中形のものの総称。多く生きた動物を食し、鋭いつめをもち、くちばしの先は鋭く鉤かぎ形に曲がる。鷹狩りにはオオタカ、地域によりクマタカが用いられた。ハイタカ・ノスリ・チュウヒ・トビなど。《季 冬》「―一つ見つけてうれしいらこ崎/芭蕉」[類語]鳶とび・鷲・犬鷲・大鷲・尾白鷲・禿鷲・禿鷹 よう【鷹】[漢字項目] [人名用漢字] [音]ヨウ(漢) オウ(呉) [訓]たか〈ヨウ・オウ〉鳥の名。タカ。「鷹揚おうよう・ようよう/放鷹ほうよう」〈たか〉「鷹匠たかじょう・鷹派/熊鷹くまたか・禿鷹はげたか・夜鷹」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「鷹」の意味・読み・例文・類語 たか【鷹】 〘 名詞 〙① タカ目に属する鳥のうち小形種の総称。大形種をワシというが厳密な区別はない。ワシと比較して一般に、翼と尾の幅が狭く、翼の先端がとがる。くちばしは鋭く曲がり、あしには大きなかぎ爪をもつ。昼行性の猛禽で、鳥獣、時にその他の動物を捕食する。ふつう樹上・絶壁に巣をつくるが、チュウヒ類は地上や水草上に営む。クマタカ・チュウヒ・ノスリ・ツミなど、日本には約二〇種が知られている。古来、姿に威厳のある鳥とされ、また、鷹狩に用いられた。羽は矢羽にするが、鷹で作った矢羽は最上とされる。《 季語・冬 》鷹①〈武用弁略〉[初出の実例]「鳥座(とぐら)結ひ 据ゑてそ我が飼ふ 真白斑の多可(タカ)」(出典:万葉集(8C後)一九・四一五四)「しすゑたるたかをにぎりはなちつ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)② 「たかがり(鷹狩)」の略。[初出の実例]「親王(みこ)たち上達部などもたかにかかづらひ給へるは、珍らしき狩の御装(よそひ)どもを設け給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)③ 能面の一つ。怨霊を表わす男面「怪士(あやかし)」を使う曲、「船弁慶(ふなべんけい)」などで、より力強く演出する場合とか、神体などを表わす曲、「高砂(たかさご)」「弓八幡(ゆみやわた)」に用いる。目は三角状に切れ、鷹のように鋭い表情なので、この名称があるといわれる。④ 江戸時代、道ばたで客をひいた下級の街娼。夜鷹。[初出の実例]「辻女(タカ)買が父の心の夜の鶴」(出典:俳諧・若みどり(1691))⑤ 「たかのつめ(鷹爪)①」の略。[初出の実例]「宵に鷹飲んで雀の声を聞き」(出典:雑俳・柳多留‐五一(1811)) くち【鷹】 〘 名詞 〙 鷹(たか)をいう百済(くだら)語。[初出の実例]「百済の俗(ひと)、此鳥を号けて倶知(クチ)と曰ふ。是今の時の鷹(たか)也」(出典:日本書紀(720)仁徳四三年九月)「きぎす鳴くすだ野に君がくちすゑて朝ふますらんいざ行きて見ん」(出典:散木奇歌集(1128頃)春) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「鷹」の意味・わかりやすい解説 鷹 (たか) 石川淳の小説。1953年3月《群像》に発表。同年刊。煙草の専売公社に勤務していた主人公国助は,ある日レッドパージにひっかかって職場から追われる。失業中の国助にKと名のる正体不明の人物が近づき,奇怪な地下運動に誘いこむ。〈明日語〉という不思議な言語を用いて政治的事件を予告する党派に加わった国助は,そこで鞭を持つ女王然とした少女に出会い,明日の〈共和国〉のためにたたかうことを学ぶ。結末の場面で,牢獄を逃れた少女が鷹に変身する寓意は明らかだろう。発表前年の〈血のメーデー事件〉を踏まえつつ,作者は不発に終わった戦後革命期への挽歌を奏で,革命伝説の形象化をこころみている。執筆者:野口 武彦 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
動植物名よみかた辞典 普及版 「鷹」の解説 鷹 (タカ) 動物。タカ科に属する鳥のうち,中形から小形のものの総称 出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報