猪目洞窟遺跡(読み)いのめどうくついせき

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

猪目洞窟遺跡
いのめどうくついせき

島根県、島根半島北西部日御碕(ひのみさき)東方約7キロメートル、出雲(いずも)市猪目町の小入り江、西側断崖(だんがい)下に所在の凝灰岩を海食した洞窟遺跡。1948年(昭和23)11月、猪目の漁港修築工事に伴い、同洞窟内の土砂を採掘中、多数の人骨、土器などが発見された。同月下旬、酒詰仲男(さかづめなかお)、池田次郎、大谷従二、大国一雄らにより緊急調査が行われ、成果は49年9月刊の『人類学雑誌』に池田らにより「出雲(いずも)国猪目洞穴遺跡概報」として発表されている。古墳時代の特殊な遺跡で、人骨は成人12体以上、小児1体が埋葬され、土師器(はじき)、須恵器(すえき)などの土器類のほか、貝輪6、鉄製品、釣り針、釘(くぎ)などが出土。また木製品として短弓、盾、下駄(げた)、コップ状容器、木椀(もくわん)、箸(はし)、独木舟(まるきぶね)破片など、古墳時代の木製品を知るうえに貴重な発見があった。57年国史跡に指定。出土遺物は県指定文化財。[江坂輝彌]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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