猿酒(読み)サルザケ

デジタル大辞泉 「猿酒」の意味・読み・例文・類語

さる‐ざけ【猿酒】

猿が木のうろ岩石のくぼみなどに蓄えておいた果実や木の実が自然発酵して酒のようになったもの。ましら酒。 秋》「―は夜毎の月に澄みぬらん/紅緑

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精選版 日本国語大辞典 「猿酒」の意味・読み・例文・類語

さる‐ざけ【猿酒】

  1. 〘 名詞 〙 猿が、木のうつろや岩のくぼみなどにたくわえておいた果実が、自然に発酵して、酒のようになったもの。ましら酒。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「これ猱酒(サルざけ)と、鶚鮓(みさごずし)と、山海珍味にて、献立の好対なり」(出典随筆・撈海一得(1771)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猿酒」の意味・わかりやすい解説

猿酒
さるざけ

サル山中の木のうろや岩の凹(くぼ)みなどに蓄えておいた木の実や果実が、雨や露などと混じり合って自然に熟し、数日の間に発酵して酒ようのものに変化したもの。ましら酒ともいい、味はたいへんに甘美といわれ、猟師木こりなどが探し求めて飲むといわれた。中国、清(しん)の屈大均の『広東(カントン)新語』などに、瓊州(けいしゅう)で多く発見されると伝え、日本でも飛騨(ひだ)などの山中で猟師たちがこれをみつけたという話が伝えられている。

[宇田敏彦]

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普及版 字通 「猿酒」の読み・字形・画数・意味

【猿酒】えんしゆ

猿ざけ。

字通「猿」の項目を見る

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飲み物がわかる辞典 「猿酒」の解説

さるざけ【猿酒】


猿が樹木や岩の空洞などに蓄えておいた果実が自然発酵してできたとする伝説上の酒。◇「ましらざけ」ともいう。

ましらざけ【猿酒】


さるざけ。⇒さるざけ

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