球根類(読み)きゅうこんるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「球根類」の意味・わかりやすい解説

球根類
きゅうこんるい

球根植物ともいう。広義には多年草に含まれるが、植物体の一部分である葉、茎、根などが変形肥大して球状の根のようになっているため形状的に区別し、これらを球根類と総称する。球根類はその肥大した部分に生育、開花、繁殖などに必要な養分を蓄えている。これら球根類の多くは、夏の高温乾燥期や冬の低温期には葉茎を枯らし成長を停止して休眠する。

 球根類は次のように分けられる。

〔1〕鱗茎(りんけい) 葉が変形肥大したものが、短縮した茎の部分に層になってついているもの。(1)層状鱗茎 肥厚した葉が層状に茎についているもの。チューリップ、ヒヤシンス、スイセン、ヒガンバナ球根アイリスアマリリスタマネギなど。(2)鱗状鱗茎 肥厚した葉が鱗状に茎についているもの。ユリフリティラリアなど。

〔2〕球茎 地下茎が球状に肥大したもので、ほとんどのものが外側の葉鞘(ようしょう)にあたる部分に網状の皮をかぶっている。グラジオラス、フリージアイキシアクロッカスなど。

〔3〕塊茎 地下茎が肥大して塊状または球状になっているもの。このなかには、1か所から芽を出すものと数か所から芽を出すものとがある。アネモネグロキシニア球根ベゴニアシクラメンカラジウムなど。

〔4〕根茎 地面や地下を水平に伸びた地下茎が肥大したもの。カンナ、ジンジャー、ジャーマンアイリスなど。

〔5〕塊根 根の一部が肥大したもの。ダリア、シャクヤクなど。

[堀 保男]

『農山漁村文化協会編・刊『花卉園芸大百科13 シクラメン・球根類』(2002)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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