病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「生殖器用剤」の解説
生殖器用剤
生殖器用剤(生殖器の病気の治療剤)は、次のように大別されます。
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前立腺肥大症の治療は、排尿困難を解消する目的で、尿道を広げる作用をもつ薬が用いられます。また、ホルモンの分泌を抑えると増殖した前立腺の組織が萎縮するので、プロスタールなどの
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子宮内膜組織の増殖を抑える作用がある薬です。子宮内膜症による不妊症や性器出血の治療に使います。
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子宮筋肉を収縮させて、陣痛をおこしたり、子宮からの出血を止めたりする薬です。
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子宮運動の抑制作用や子宮の収縮の緩和作用をもつ薬などが応用されます。
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細菌、真菌、原虫など、感染の原因となった病原微生物によって薬が使い分けられます。そのほか、細菌感染による細菌性腟炎、老人性腟炎、小児腟炎の治療には抗生物質や卵胞ホルモン剤のエストリオール製剤を、それぞれ腟剤の形で使います。
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排卵障害を改善する作用、排卵を誘発する作用をもち、妊娠を促進する薬です。そのほか、男性に原因がある場合には、末梢の血流を改善させる作用のあるカリジノゲナーゼやニコモール製剤、代謝性製剤のATP製剤、ビタミンB12製剤、甲状腺ホルモン剤、ビタミンE剤などを応用します。
■その他
性器出血の治療には、原因によって、女性ホルモン剤、抗生物質、子宮収縮剤、止血剤が用いられ、ときに輸血が必要になることもあります。
月経の際の腰痛などの改善には、非ステロイド抗炎症剤、女性ホルモン剤、漢方製剤が効果があります。
性感染症では、ウイルス、クラミジア、マイコプラズマ、真菌など、原因となった病原微生物に応じて、適切な化学療法剤〔感染症治療剤〕が用いられます。HIVをコントロールする薬も開発されています。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報