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生活賃金 せいかつちんぎん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生活賃金
せいかつちんぎん

賃金は労働者自身とその家族の一定の生活を保障する水準であるべきだという思想に基づいて算定された賃金のこと。この思想は 19世紀末のイギリス労働運動の過程で生れたといわれるが,その内容は時代の変遷とともに変化してきている。たとえばこの思想をもとに 1923年イギリス労働党政権が考案したマーケット・バスケット方式 (→物量方式 ) でも,当初は単に最低の生活水準の維持に必要な食料の品目と数量を定め,それにより購買する費用を算出し,賃金の基準としたが,そののち費目の対象が住居費,雑費などの全生計費目に拡大されるようになった。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいかつちんぎん【生活賃金 living wage】

最低賃金または賃金の算定にあたって,その基準となる原則または考え方の一つであって,通例もう二つの基準とされる〈支払能力〉の原則,〈公正比較〉の原則(公正賃金)と区別されている。すなわち,これ以下に引き下げられない生活の必要を賃金決定の第一義的な基準とするもので,この上に積み上げられる生活の必要を否定するものではない。もとより労働者本人だけではなく家族の生活の必要をも考慮するが,賃金論でいう労働力の価値とか労働力の再生産という概念とはまったく異なる次元の問題である。

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世界大百科事典内の生活賃金の言及

【最低賃金制】より

…したがって,組織率が著しく高く,多くの産業で労働協約が締結されているスウェーデンなど少数の先進工業国では最低賃金制を設けていない。
[最低賃金の基準と役割]
 最低賃金の基準は,法律のなかで,なんら規定しないもの,労働者の生活費の確保をうたうもの(生活賃金),他の労働者の賃金との均衡の原則(公正賃金)を規定するもの,経済変動あるいは産業の支払能力をもあわせ指示するもの,などさまざまである。生活賃金を中心におくところが多いが,発展途上国では実際決められるものは著しく低いのがふつうである。…

※「生活賃金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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