生立つ(読み)オイタツ

デジタル大辞泉 「生立つ」の意味・読み・例文・類語

おい‐た・つ〔おひ‐〕【生(い)立つ】

[動タ五(四)]
草木が生えて大きくなる。
「ある年のちょうど若苗の―・つころ」〈堀辰雄・かげろふの日記
伸び育つ。成長する。
加茂川の水柔らかなる所に―・ちて」〈露伴風流仏
[動タ下二]育てる。
「一人養ひて―・て給ひたるとこそは聞き侍れ」〈成尋母集詞書
[類語]成長生長成育生育発育発達成熟育つ長ずる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「生立つ」の意味・読み・例文・類語

おい‐た・つおひ‥【生立】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行四段活用 〙
    1. ( 「おいだつ」とも ) 木や草などが生えて立つ。生長する。
      1. [初出の実例]「河の辺に 淤斐陀弖(オヒダテ)烏草樹(さしぶ)を」(出典古事記(712)下・歌謡)
    2. 子供がしだいに成長していく。育っていく。大きくなっていく。成人する。
      1. [初出の実例]「此の世には生まれおゐたつ人もあらず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
    3. 比喩的に、考えや思いなどが広がっていく。
      1. [初出の実例]「さまざまの事耳目に触れて疑ひの種を生長(オヒタタ)しむるのみか」(出典:藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉九)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 子供をはぐくみ育てる。養育する。育てあげる。
    1. [初出の実例]「父(てて)浄飯王と申す、一人養ひておひたて給ひたるとこそは聞き侍れ」(出典:成尋阿闍梨母集(1073頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android