長ずる(読み)チョウズル

デジタル大辞泉 「長ずる」の意味・読み・例文・類語

ちょう・ずる〔チヤウずる〕【長ずる】

[動サ変][文]ちゃう・ず[サ変]
成長する。育つ。おとなになる。「―・じて後、外国に住んだ」
年上である。「彼に―・ずること二歳
すぐれる。ひいでる。「語学に―・じている」
程度が増す。はなはだしくなる。「見識を―・ずる」「おごりが―・じる」
非常に好む。ふける。
「酒に―・じたる男にて」〈義経記・五〉
[類語](1成長生長成育生育発育発達成熟育つ生い立つ/(3優れる秀でる偉い優等優秀秀逸錚錚そうそう一廉ひとかどける粒揃い良い良好良質優良有数粒選り選抜簡抜抜粋精選厳選特選選り抜き一粒選り選り抜く白羽の矢が立つ

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精選版 日本国語大辞典 「長ずる」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐・ずるチャウ‥【長】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ちゃう・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. しだいに成長する。育つ。生い立つ。
      1. [初出の実例]「抑(そもそも)前に参りし夜産れ給し人は、今は長(ちゃう)じ給む」(出典今昔物語集(1120頃か)二六)
    2. 他よりぬき出てすぐれる。巧みになる。まさる。
      1. [初出の実例]「其の男子、漸く勢(せい)、長(ちゃう)じて、名をば鳩摩羅什と云」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)
    3. 熱中し耽溺(たんでき)する。ふける。多くあまり好ましくない物事についていう。
      1. [初出の実例]「酒に長じたる男にて」(出典:義経記(室町中か)五)
    4. 年上である。年長である。
      1. [初出の実例]「其の中二年長せるを先達に作り立て」(出典:太平記(14C後)五)
    5. しだいにたけなわになる。程度、度合がはなはだしくなる。増長する。
      1. [初出の実例]「最初はちっとしたる事なれども、長して大事になるものぞ」(出典:史記抄(1477)二〇)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ちゃう・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. しだいに成長させる。育てる。
      1. [初出の実例]「此、偏に、鶏の卵を焼き噉て不長(ちゃうぜしめ)ざる罪也と知ぬ」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)
    2. すぐれたものにする。進歩させる。発展させる。
      1. [初出の実例]「我学問は荒みぬ。されど余は別に一種の見識を長じき」(出典:舞姫(1890)〈森鴎外〉)
    3. 物の程度や度合をしだいに甚だしくする。増長させる。
      1. [初出の実例]「空想の利を興こすに在る者は其挙必ず禍乱を長ず」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後)

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