デジタル大辞泉
「三宅花圃」の意味・読み・例文・類語
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みやけ‐かほ【三宅花圃】
- 歌人、小説家。東京出身。旧姓田辺。名は龍子。三宅雪嶺に嫁す。和歌を中島歌子の萩の舎塾に学ぶ。小説「藪の鶯」で文壇に出る。著に「露のよすが」「萩桔梗」「花の趣味」など。明治元~昭和一八年(一八六八‐一九四三)
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三宅 花圃
ミヤケ カホ
明治期の小説家,随筆家,歌人
- 生年
- 明治1年12月23日(1869年)
- 没年
- 昭和18(1943)年7月18日
- 出生地
- 東京・本所
- 本名
- 三宅 龍子(ミヤケ タツコ)
- 旧姓(旧名)
- 田辺
- 学歴〔年〕
- 東京高女〔明治22年〕卒
- 経歴
- 中島歌子の塾(萩の舎塾)で樋口一葉らと学び、明治21年「藪の鴬」を刊行し出生作となる。その後「芦の一ふし」「八重桜」などを発表し、25年「みだれ咲」を刊行。同年三宅雪嶺と結婚し、その後は歌人、随筆家として活躍。他の主な作品に「露のよすが」「空行く月」「蛇物語」などがあり、他に野村望東尼の評伝「もとのしづく」、歌文集「花の趣味」などを著す。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
三宅花圃
みやけかほ
(1868―1943)
小説家、随筆家。東京・本所生まれ。本名田辺龍子(たつこ)、のち三宅姓。中島歌子の塾(萩(はぎ)の舎(や))などで学び、1889年(明治22)東京高等女学校卒業。88年、開化の風俗を活写し軽薄な欧化主義を批判した処女作『藪(やぶ)の鶯(うぐいす)』を刊行、世に認められた。短編小説を書き継ぎ、92年三宅雪嶺(せつれい)と結婚。その後も『露のよすが』『萩桔梗(はぎききょう)』(ともに1895)、『空行月(そらゆくつき)』(1896)、『蛇物語』(1897)などを発表。1920年(大正9)夫とともに『女性日本人』を創刊、以後はほとんど毎号婦人問題についての随筆感想を同誌に掲載した。野村望東尼(もとに)伝『もとのしづく』(1901)もある。
[橋詰静子]
『『明治文学全集81 明治女流文学集(1)』(1966・筑摩書房)』▽『塩田良平著『三宅花圃』(『現代文学講座3』所収・1961・明治書院)』
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三宅花圃【みやけかほ】
小説家,歌人,随筆家。本名竜子(たつこ)。東京本所生れ。東京高等女学校卒。三宅雪嶺の妻。坪内逍遥が校閲した処女作《藪の鶯》は開化期風俗で注目された女学生の生活を描き,出世作となる。他に短編《萩桔梗》,夢借舎丁々子の変名で出した短編集《みだれ咲》,歌文集《花の趣味》,随筆集《その日その日》などの著作がある。《文学界》の創刊にあって,中島歌子の萩の舎塾同門,樋口一葉を推薦して活躍の場を与えたことでも知られる。
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三宅花圃 みやけ-かほ
1869*-1943 明治-大正時代の小説家。
明治元年12月23日生まれ。田辺太一の長女。三宅雪嶺(せつれい)の妻。明治21年坪内逍遥(しょうよう)の推挙で,開化期の女学生像をえがいた「藪(やぶ)の鶯(うぐいす)」を刊行。中島歌子の歌塾での同門樋口一葉を文壇に紹介した。大正9年夫とともに「女性日本人」を創刊。昭和18年7月18日死去。76歳。東京出身。東京高女卒。本名は竜子(たつこ)。
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三宅花圃
みやけかほ
[生]明治1(1868).12.23. 東京
[没]1943.7.18. 東京
女流小説家,歌人。本名,竜子。東京高等女学校卒業の前年『藪の鶯』 (1888) を発表,近代女流作家の先駆として注目された。その後短編集『みだれ咲』 (92) などを発表。三宅雪嶺と結婚,夫の主宰する『女性日本人』の歌壇を担当。『文学界』にも関与,樋口一葉に小説を書かせるきっかけとなった。
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三宅 花圃 (みやけ かほ)
生年月日:1868年12月23日
明治時代の歌人;小説家
1943年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の三宅花圃の言及
【三宅雪嶺】より
…和漢洋におよぶ学識の広さと在野的立場ゆえ,堺利彦,幸徳秋水,岩波茂雄をはじめ私淑者が多い。妻は女流作家の三宅花圃,女婿に政治家の中野正剛がおり,1943年文化勲章を授与された。著書73冊。…
※「三宅花圃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」