生野鉱(読み)いくのこう(その他表記)ikunolite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「生野鉱」の意味・わかりやすい解説

生野鉱
いくのこう
ikunolite

硫化鉱物。1959年(昭和34)加藤昭(あきら)(1931― )によって兵庫県生野鉱山閉山)から発見された新鉱物。その後オーストラリア、栃木県足尾鉱山(閉山)、兵庫県明延(あけのべ)鉱山(閉山)などからも発見された。ビスマス蒼鉛(そうえん))とカルコゲン硫黄セレンテルルなどの総称)の比が4対3の鉱物の一つ。他のビスマスのカルコゲン化鉱物と共通した外観をもつため、肉眼的には区別しがたい。石英脈中に鉄重石、自然蒼鉛などと共存する。

[加藤 昭]


生野鉱(データノート)
いくのこうでーたのーと

生野鉱
 英名    ikunolite
 化学式   Bi4(S,Se)3(S>Se)
 少量成分  Pb,Ag,Te,Sb
 結晶系   三方
 硬度    ~2
 比重    7.97
 色     鉛灰
 光沢    金属
 条痕    暗灰
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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