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田中メモランダム たなかメモランダム

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

田中メモランダム
たなかメモランダム

田中上奏文ともいう。 1927年7月 25日首相田中義一東方会議で協議された対満蒙国策に関し,宮内大臣一木喜徳郎にあてたといわれる上奏文。東方会議直後中国側から報道され,「支那を取るためにはまず満蒙を取り,世界を取るためにはまず支那を取れ」と述べ,満蒙征服の計画を具体的に示していると宣伝された。形式的に上奏文として不審な点があり,また事実上の明らかな誤りもあり偽書とされている。 46年の極東国際軍事裁判で,証人岡田啓介,森島守人はその存在を否定し,秦徳純もこれを肯定することができなかった。

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デジタル大辞泉の解説

たなか‐メモランダム【田中メモランダム】

昭和2年(1927)の東方会議の決定に基づき、田中義一首相が天皇に上奏したとされる文書。同4年に中国側が暴露し、その内容が以後の日本の中国侵略と一致していたために日本の侵略性を証明する重要資料とされたが、現在はその信憑性は疑われている。

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世界大百科事典 第2版の解説

たなかメモランダム【田中メモランダム】

田中義一首相が対満蒙政策について天皇に上奏したものと喧伝された文書。1929年12月中国南京で発行されていた《時事月報》に,東京で入手し中国文に訳したという〈田中義一上日皇之奏章〉と題する文書が掲載された。これは1927年の東方会議の決定にもとづいて,満蒙の征服・経営の方策を,内外蒙古への軍人スパイの派遣,鉱山の獲得,朝鮮人の移住,鉄道の建設,満蒙特産品の専売など,全21項目にわたって具体的に述べ,27年7月25日付で田中首相から上奏したものとされていた。

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大辞林 第三版の解説

たなかメモランダム【田中メモランダム】

1927年(昭和2)東方会議の決定に基づく中国侵略政策を田中義一首相が天皇に上奏したとされる文書。29年中国の雑誌に発表され、その内容は以後の日本の侵略政策と一致するところが多いが、文書の信憑性は疑問視されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

田中メモランダム
たなかめもらんだむ

田中義一(ぎいち)首相が東方会議の決定に基づいて、1927年(昭和2)7月天皇に上奏したといわれる文書。29年12月中国の雑誌『時事月報』に「田中義一上日皇之奏章」と題して掲載された。満蒙(まんもう)征服と経営について21項目にわたり具体的に述べられている。形式その他から偽書であると認定されているが、内容が、その後の日本の行動とあまりにも符合するので、国際的に注目され、東京裁判でも取り上げられた。[江口圭一]

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