東京裁判(読み)とうきょうさいばん

百科事典マイペディアの解説

東京裁判【とうきょうさいばん】

極東国際軍事裁判が正称。1946年1月19日連合国最高司令官マッカーサーの命令で設立された極東国際軍事裁判所が日本の戦争指導者に対して行った裁判。ニュルンベルク裁判とともに二大国際裁判といわれる。原告は米・英・中・ソのほか7ヵ国。同年5月3日より東京市谷で開廷。裁判長はオーストラリアのウェッブ。首席検察官は米国キーナン戦争犯罪を,従来の戦時国際法に規定された〈通例の戦争犯罪〉(B)に加えて,〈平和に対する罪〉(A)と〈人道に対する罪〉(C)を新たに国際法上の犯罪類型と規定し,それらの犯罪について戦争指導者と目された個人の刑事責任を認め,満州事変以来の日本軍閥の侵略を追及。1948年11月12日判決。戦争指導者28名の被告のうち,公判中に死亡した松岡洋右,永野修身と精神異常と認定された大川周明は免訴となり,絞首刑7名(東条英機広田弘毅ら),終身禁錮16名(荒木貞夫畑俊六ら),禁錮20年(東郷茂徳),禁錮7年(重光葵)。以上がいわゆるA級戦犯である。なお,上記B,Cの罪にあたるBC級戦犯については東京裁判とは別に,原告の7ヵ国ごとに裁判が行われ,被告5700名のうち984名が死刑を宣告された。BC級戦犯の有罪者のうち,朝鮮人148名,台湾人173名であった。なお,サンフランシスコ講和条約には日本が東京裁判を受諾することが明記された。
→関連項目小野清一郎木戸幸一木村兵太郎清瀬一郎軍事裁判第2次世界大戦太平洋戦争(日本)花岡事件パル松井石根

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精選版 日本国語大辞典の解説

とうきょう‐さいばん トウキャウ‥【東京裁判】

極東国際軍事裁判のこと。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

東京裁判
とうきょうさいばん

第二次世界大戦後の日本の戦争犯罪者に対する連合国の軍事裁判
戦争指導者(A級)に対して,1946年5月〜48年11月に東京の市ケ谷法廷で行われ,東条英機ら7名は絞首死刑,18名は禁固刑(講和後釈放)となった。その他は未決で釈放された。なお,B・C級被告に対する裁判は青山・横浜で行われた。天皇の戦争責任を追及する立場に対し,キーナン首席検事(米)らの反対で,天皇免責が決定した。この裁判に対しては,戦勝国による復讐的なものである,また戦争犯罪の定義があいまいである,などの批判があるいっぽうで,日本軍の残虐行為について欠落したものがあるという問題点も指摘されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

とうきょうさいばん【東京裁判】

正式の名称は極東国際軍事裁判International Military Tribunal for the Far East。日本の戦前戦中の指導者28名の被告を〈主要戦争犯罪人〉(A級戦犯)として,彼らの戦争犯罪を審理した国際軍事裁判。
[前
 第2次大戦中の連合国の戦争目的には,日独伊など枢軸国による侵略と残虐行為に対する自衛制裁方針が一貫して掲げられており,戦争終結後に枢軸国の戦争指導者と戦争犯罪を処罰することは,連合国の共通目標だった。

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世界大百科事典内の東京裁判の言及

【太平洋戦争】より

…ところが敗戦後の日本人は,みずからの手で戦争責任を厳しく追及することなく,今日に及んでいる。 連合国によって開廷された東京裁判(極東国際軍事裁判)(1946年5月3日~48年11月12日)は,(1)国際連盟,不戦条約,国際連合,日本国憲法第9条などに体現されてきた戦争を違法とする世界史の流れのなかで,〈共同謀議の罪〉という犯罪類型を導入し,初めて国家指導者の個人的な刑事責任を追及したこと,(2)〈平和に対する罪〉という新しい構成要件をつくりあげ,それを構成要件の筆頭にすえたこと,(3)〈文明の裁き〉というたてまえのもとに,〈殺人〉と〈通例の戦争犯罪および人道に対する罪〉を第2,第3の構成要件とし,十五年戦争の侵略的性格と日本軍の野蛮な残虐行為を具体的な証拠に基づいて白日のもとに暴露したこと,の3点において画期的な意義を有していた。しかし同時にこの軍事裁判は,(1)戦争の当事者である戦勝国が戦敗国を一方的に裁くという〈勝者の裁き〉であったばかりでなく,裁く側に過去4世紀に及ぶ過酷な植民地支配,アメリカによる原爆投下と都市無差別爆撃の戦時国際法違反,ソ連による日ソ中立条約侵犯と日本人捕虜のシベリア抑留問題などの汚点と弱点があったこと,(2)〈平和に対する罪〉は戦争違法観と指導者責任観とが結合されて第2次世界大戦末期に成立したが,これによって個人を重罰に処したことは法理上問題があり,また〈共同謀議〉という英米法でも問題の多い法概念で1928‐45年の事実を裁くことには無理があったこと,(3)裁判が事実上アメリカの日本占領政策の一環として行われたため,天皇の不起訴,真珠湾攻撃の観点が優越した被告人の選定,A級戦犯の責任追及の途中打切りなどの不十分な結果をもたらしたこと(戦犯),(4)日本の民衆の侵略戦争への荷担の責任がまったく問題にされなかったこと,などの弱さを有していた。…

【パル】より

…法律家。極東国際軍事裁判(東京裁判)判事。インドのベンガル州に生まれ,カルカッタ大で法学博士の学位をとり,1923‐36年カルカッタ大法科大教授。…

※「東京裁判」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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