(読み)チク

デジタル大辞泉 「畜」の意味・読み・例文・類語

ちく【畜】[漢字項目]

常用漢字] [音]チク(呉)(漢)
牛馬などを飼う。「畜産牧畜
家で飼う動物。「畜生畜力役畜えきちく家畜鬼畜人畜用畜
[名のり]ます

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精選版 日本国語大辞典 「畜」の意味・読み・例文・類語

ちく【畜】

  1. 〘 名詞 〙 牛馬犬鶏などを飼うこと。また、それら家で飼う鳥獣。〔温故知新書(1484)〕
    1. [初出の実例]「馬牛羊豚の畜を務む」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼下〕

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普及版 字通 「畜」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] チク・キュウ(キウ)・キク
[字訓] たくわえる・やしなう

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
玄(げん)+田。玄は糸たばの形。田はその糸たばを染める鍋(なべ)の形。その染め汁に糸を久しく漬けて、染色する。久しく漬けて色を深くすることを、停畜という。〔説文〕十三下に「田の畜なり。淮南子に曰く、玄田を畜と爲す」とする。〔段注〕に「淮南王」であろうというが、玄田に別つだけでは、字義を説きがたい。金文字形は、明らかに糸を染めるために、鍋に停畜する形である。〔周礼、考工記、鍾氏〕は染色のことを掌る。その字は(しよう)に作るべく、金文の字形は(しよう)に作る。左偏の(らん)は架糸の象。旁の東は(たく)(ふくろ)の初文。中に糸たばを入れる。田は染め汁を入れた鍋の形。〔考工記、鍾氏〕に「三入を(くん)と爲し、五入を(しう)と爲し、七入を緇(し)と爲す」とあって、次第に色を深める。金文に続(しようぞく)の意に用い、〔説文〕十三上に「するなり」とするが、もと色についていう語であった。畜に三音あり、チクは停畜積聚、キクは飼養、キュウは獣畜の意である。

[訓義]
1. たくわえる、つむ、つみかさねる、とどめる。
2. やしなう、かう、かいそだてる。
3. 家畜、けもの。

[古辞書の訓]
名義抄〕畜 ケダモノ・ヤシナフ・タクハフ・チウク・イル

[声系]
〔説文〕に畜声として(蓄)・(きく)など四字を収める。は〔説文〕一下に「積むなり」とあり、停畜の意を承ける字。またには、蓄積・積聚の意がある。

[語系]
畜・xiukは同声。は蓄積。は〔一切経音義〕に引く〔蒼頡〕に「聚なり。積なり」とあって、禾穀の類を積聚することをいう。また畜にthiukの声があり、(育)jiukと声が近い。〔詩、風、日月〕に「我を畜(やしな)ひて卒(を)へず」とあり、育と同義の用法である。

[熟語]
畜愛・畜玩畜蠱・畜民畜牲・畜肉畜穢畜怨畜狗・畜犬畜穀畜財畜止・畜積畜聚畜獣畜妾・畜生畜粟・畜怒・畜髪・畜憤・畜牧・畜養
[下接語]
家畜・稼畜・鬼畜・牛畜・禽畜・五畜・耕畜・貲畜・聚畜・獣畜・人畜・貯蓄・長畜・放畜・牧畜・養畜・六畜

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