病院船(読み)ビョウインセン(英語表記)hospital ship

翻訳|hospital ship

デジタル大辞泉 「病院船」の意味・読み・例文・類語

びょういん‐せん〔ビヤウヰン‐〕【病院船】

負傷兵・海難者らを収容し、加療しながら輸送する船。船体白色とし、軍用病院船緑色、私設病院船は赤色横線を入れ、国旗赤十字旗とを掲げる。赤十字協約により、攻撃を禁じられている。

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共同通信ニュース用語解説 「病院船」の解説

病院船

災害国際紛争負傷者の治療、輸送を目的とする船舶の総称。日本政府は保有していないが、主に各国海軍が持ち、6月に日本へ寄港予定の米海軍の病院船「マーシー」は世界最大級。政府は2013年の報告書で、1隻の建造費が最大で350億円、維持費も年間25億円に上ると試算、既存船舶に医療設備を積み込む代替策が「最も検討に値する」と結論付けていた。

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精選版 日本国語大辞典 「病院船」の意味・読み・例文・類語

びょういん‐せんビャウヰン‥【病院船】

  1. 〘 名詞 〙 傷病者・難船者を収容して、診察・治療を施しながら輸送する船。病院設備を整え、船腹に軍用病院船は緑色、私設病院船は赤色の横筋を施し、マストに国旗と赤十字旗を掲げる。交戦相手国のものでも攻撃しないのが国際間の約束
    1. [初出の実例]「負傷者は吾が病院船神戸丸に引き取り」(出典:愛弟通信(1894‐95)〈国木田独歩〉威海衛艦隊攻撃詳報)

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改訂新版 世界大百科事典 「病院船」の意味・わかりやすい解説

病院船 (びょういんせん)
hospital ship

傷者,病者および難船者に援助を与え,それらのものを治療し,輸送することを目的として,建造し,または設備した船をいう。ジュネーブ条約により,戦時それらの船舶が使用される10日前に,その船名および細目(登録総トン数,船の長さ,マストおよび煙突の数等)が紛争当事国に通告されることを条件にして,これを尊重・保護し,いかなる場合にも攻撃し,または捕獲してはならないこととされている。病院船は船体外面を白色に塗り,遠距離から視認可能なように,できるだけ大きい濃色の赤十字を船体の各側面および水平面に表示し,メーンマストに白地に赤十字の旗をできるだけ高く掲げるように定められている。病院船がもっとも活躍したのは第1次世界大戦および第2次世界大戦当時であるが,誤認や病院船としての資格不備等により撃沈される事例もかなりあった。近年,同じ目的に衛生航空機が使われるようになってきた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「病院船」の意味・わかりやすい解説

病院船
びょういんせん

戦時に傷病者および遭難船の乗員だけを海上輸送する船舶。船内に治療施設・設備を整え、医師以下の医療スタッフが乗り組んでいる。国際法の規定によって船体を白く塗装し、船腹に赤または緑色の横線と十字形を標示し、赤十字の旗を掲揚するなどの標識が義務づけられている。武装すること、戦闘員を乗船させることができない。船名と判別のための資料は赤十字本社に報告され、赤十字を通じて交戦国に通告される。交戦国は病院船を攻撃したり捕獲したりすることができない。また、傷病者などの救助には敵味方を問わず船を提供することが定められている。

[岩井 聰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「病院船」の意味・わかりやすい解説

病院船
びょういんせん
hospital ship

傷病者や難船者を国籍に関係なく収容,加療し,輸送する船をいい,戦時に用いられることが多い。現在は 1949年8月に改正のジュネーブ4条約 (特にその第2条約) に守られ,船体外部を白色に塗り,船腹に幅 1.5mの緑色または赤色の帯を描き,マストに国旗と赤十字旗を掲げて標識とする。交戦国はこれを捕獲,攻撃しないことになっている。歴史上では,イギリス海軍の軍医 J.リンドが患者輸送船を造らせたのが最初とされている。

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百科事典マイペディア 「病院船」の意味・わかりやすい解説

病院船【びょういんせん】

戦時に交戦国の傷病者,難船者を国籍に関係なく救助,治療する船。使用前に船名を通告した船は交戦中も捕獲されない。識別のため船体を白く塗り,船側に緑の横線と緑十字または赤の横線と赤十字を標示する。

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