白人・素人(読み)はくじん

精選版 日本国語大辞典 「白人・素人」の意味・読み・例文・類語

はく‐じん【白人・素人】

〘名〙
① (白人) 病的に、または先天的にからだ中が白い人。色素を欠き全身が白いもの。しろこ。
※三代実録‐貞観八年(866)七月二五日「紀伊国言、伊都郡人六人部由貴継生白人男女二人〈略〉両児生而肌膚鬂髪眉眼挙身純白如雪」
② (「白人(しろうと)」の音読み)
(イ) 物事に熟達していない人。また、それを職業・専門にしていない人。
※浮世草子・新吉原常々草(1689)上「京の色里にて手よはき客をはくじんといへり。是素人(しろと)の事也」
(ロ) 江戸時代、京都の祇園町や大坂の島の内・新地などの私娼異称歌曲などの芸がないところからという。
※浮世草子・西鶴織留(1694)六「風呂屋・素人(ハクジン)をしのび連れて」
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉一「亜米利加の土人が白人に逐はれたるが如きは」
[補注](②(ロ)について) (1)貞享三年(一六八六)刊の西鶴の「男色大鑑‐六」に「土手町の素人(しろと)」とあり、貧しい農民や雑喉売・駕籠かきなどの娘に遊び宿で客を取らせたのがはじまり。
(2)大坂では島の内と曾根崎新地に限って白人の称を用いたが、のちには風呂屋女から白人に鞍替えする者も多くなる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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